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日経平均3万6000円超え。「プロが買った/注目している個別株」8銘柄。新NISAで買うべきはインデックス投信じゃない

新NISAで買うべき個別株

住友化学(4005)

住友化学(4005)株価333.5円(1月19日時点の終値)

 まずは住友化学(4005)だ。総合化学大手ではあるが、調べてもらうとわかるが業績は良くない。石油精製品は市況が悪く、医薬は主力製品の特許切れ、鶏飼料添加物も低迷。営業赤字は拡大。株価は350円ほどでしかない。そのため、政策保有銘柄の放出を決めた。  その資金で事業の立て直しを計る。放出を決めたのは稲畑産業(8098)という化学系関連商社で、日本だけでなく海外の売り上げが6割を占める優良会社。住友化学は議決権ベースで25%の株式を所有しているが、それを10%にまで引き下げる。  稲畑産業の業績は大変良い。それなのに、住友化学が持ち株放出で株価は下がる。引き受け団の株価は2883円ほどという。下がったところを拾わせてもらった。さらに、下がれば買い増しする予定だ。住友化学も計画通りに売却できて資金ができれば、その株価も上昇に転じるはずだ。  住友化学は営業赤字ながらも、12円の配当金を維持している。稲畑産業は3000円以上ではあるが、配当金は120円。株主優待もよく、どちらも、配当金も値上がりも見込める銘柄と判断した。とくに住友化学のように単元株で4万円を切る株価は、買いやすいし売りやすい。  去年の11月の記事「日本株『優良なのに安値で買える銘柄』をプロが厳選。高配当も値上がり益も期待できる」で紹介した、不祥事案件の日野自動車(7205)三菱自動車(7211)は買い増しした。記事に書いて以来、両銘柄ともジワリと株価を上げた。どちらも500円以下の株価で買いやすい。特に円高に動いた時には、株価が軟調になるので、そのタイミングで指値を入れた。1月2週目以降に円が再び軟調になると、日野自動車は500円台を回復してしまった。

NTT法の見直しは追い風となるか

NTT(9432)

NTT(9432)株価187.1円(1月19日時点の終値)

 すでに投資しているNTT(9432)は年明けから勢いよく上がって185円。2023年6月に25分割してからの高値を超えた。個人投資家にとってみても、上がったとはいえ、180円台で、単元株を2万円以下で購入できて、配当金も株主優待も魅力的なので、最初に買うのに適している銘柄だ。  1990年代のバブル景気はかつての電電公社だったNTTが民営化され1986年に株式が売り出されたことが火付け役の一つだった。当時の売り出し価格119万7000円はあっという間に308万円まで上昇した。30年以上の時を経て、また、多くの人がNTTに注目しているのである。  ただ、今回は先述した買いやすい株価と魅力的な配当や株主優待で多くの個人投資家が持つようになるだろうというだけでなく、NTT法の見直しという大きな追い風が吹いていることも、買い増ししたい理由だ。  最後にいま注目している銘柄をいくつか。  1月の能登半島地震の影響もあって、北陸電力(9505)東北電力(9506)も下げた。前者は700円台、後者は900円台。復興とともに株価も底固くなるとみた。東北電力はすでに所有しているが、株価を見ながら買い増ししたいと思ってる。  また、年末に市場が閉まってから購入したいと思って指値を入れたのがシチズン(7762)だ。820円ほどだったのだが、年明けとともに一気に900円台になってしまってまだ買えてない。シチズンの腕時計は特に欧州で人気だそうで、業績は悪くないし、配当利回りは900円台になっても4.4%ほどある。買いやすい株価で人気を集めそうだ。 ※株式投資はご自分の判断と責任に基づいておこなってください。 <文/佐藤治彦 チャート/googleファイナンス>
経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko
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