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日本株「優良なのに安値で買える銘柄」をプロが厳選。高配当も値上がり益も期待できる

日経平均は3万5000円を目指す強気論

 10月末からの上場企業の決算は、概ね日本企業の好調さを証明した。中には円安効果で伸び悩んだ業績をカバーした会社も見受けられるが、儲かったことには間違いない。  11月17日(金)のニューヨーク市場では、ダウがほとんど上がらず方向感のないまま週末を迎えたが、東京市場は強気で、日中には1990年代のバブル崩壊後の最高値を更新した。  市場には、アメリカだけでなく2024年の欧米の景気減退懸念から株価を悲観的に見るネガティブ派と、年末には日経平均3万5000円を目指していくというポジティブ派に分かれているが、このままだと強気なポジティブ派に分があるのかもしれない。  好決算が続く中で、珍事もあった。業績が絶好調なのに、大幅に売られる銘柄が続出したのだ。

小松製作所(6301)はもちろん買い増し

小松製作所(6301)株価3783円(11月21日時点の終値)

 その一つが、優良銘柄の代表格として、今年も存在感抜群だった小松製作所(6301)だ。  10月27日(金)の取引終了後に決算発表があり、過去最高益で、配当金は139円から5円増配して144円となった。しかし、10月30日(月)にはコマツは徹底的に売られて値を下げ、午前の取引だけで7%も下げた。  株価が下がったため配当利回りは4.2%まで上げた。その後は少しづつ値は戻しているものの、11月21日現在でも3800円程度。9月19日につけた今年の年初来高値の4511円までにはまだ上値余地が十分ある水準だ。  コマツが値上がり益も、そして、高配当も期待できる銘柄になるとは驚きだ。もちろん私は買い増しした。市場では、上方修正だけれど内容が良くない、本業で儲けたというよりも円安貢献が大きいだけだとか、いろいろと言われるが、さらに良い決算を期待していた向きも多い中での材料出尽くしで売られたのだろう。好業績で高値をつける銘柄が多い中、低迷しているものもある。株式取引で儲けるには、安く買って高く売ることだ。それも大手企業で下がっているもの。それぞれ理由があるので紹介したい。
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日野自動車(7205)。不祥事で株価低迷も底力に期待
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経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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