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「トー横で取材した子が亡くなり、小説の結末を変えた」橋爪駿輝と呂布カルマが歌舞伎町の闇を考える

「自尊心を身につけてほしい」

トー横の深い闇橋爪:施設ってどんなイメージですか? 呂布:自分が小さいときは、悪いことしたら親に「戸塚ヨットスクール入れるぞ」ってよく言われてましたけど(笑)。  トー横にいるような家庭環境が複雑なコは、自尊心が育まれてないと思うんですよ。だから自尊心がつくような、労働や資格を取らせるのがいいんじゃないですか。 橋爪:たしかに、人から頼られてやりがいを見つけられたら、そこが自分の居場所になりますしね。自尊心でいえば、親でなくても、誰か一人でも自分のことをわかってくれてる人がいるかどうかで変わってくる気がするんですよ。そんな場があってほしいです。

「トー横にいる10代の若いヤツらって〝宝〟だから」

呂布:なんやかんや言いましたけど、トー横にいる10代の若いヤツらって、ああ見えて〝宝〟じゃないですか。 「お前は日本の宝なんだ」ってことを全然わかってない。ただでさえ子供が減ってるのに何してんだよって。ちゃんと働いて納税してくれよって。 橋爪:「宝」ってすごくいい言葉だと思いました。トー横には、誰からも大事に思われてないと感じている人がかなりいる気がしますし、実際それに近い現実もあったりする。  どうしても過激な報道ばかりが目立ちますが、トー横のコたちがどんな感覚で生きているのか、これからも注視していきたいです。 【呂布カルマ】 1983年、愛知県名古屋市生まれのラッパー。JET CITY PEOPLE代表。「フリースタイルダンジョン」に出演後、多くのメディアで活躍。昨年、トー横の支援団体主催のイベントに登壇 【橋爪駿輝】 1991年、熊本県生まれ。フジテレビ勤務時代、小説家として’17年『スクロール』でデビュー。’21年に退社。Amazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』で長編初監督
愛しみに溺レル

『愛しみに溺レル』(小社刊)。居場所のない女子高生ジウのトー横での共生を描く。

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/ヤナガワゴーッ! 日本駆け込み寺
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