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「もう疲れた。今は居心地のいい場所がどこにもない」補導強化にトー横キッズが語った本音。“若者向け相談窓口”にも厳しい声

 トー横が社会問題になって5年以上が経過。ついに行政は今年から相談窓口を設置するも、全国にトー横の亜種は広がっている。大人たちが差し伸べる手は、闇に包まれた若者の元へ届くのか。トー横キッズの本音を探った。

重い腰をあげた行政に“居場所のない”若者の反応は?

トー横の深い闇

腕にリスカ痕が残る14歳の少女。「学校にいる普通に生きてけるコとは仲良くなれない」と話す

 居場所のない若者の場であり、犯罪の温床ともされる「トー横」。今や毎年恒例となった一斉補導に加え、たまり場のスペースに資材が置かれ、一部封鎖状態が続いている。  だが、トー横キッズを取り締まろうとする大人側の意図とは裏腹に、ここを訪れる若者は引きも切らない。昨年12月末にトー横デビューした14歳の少女Aがいる。 「親は精神科に通う姉にばかり構って、家に私の居場所はない。ずっと苦しくて小2からリスカしてます。トー横は普通に生きられない私の気持ちをわかってくれて、やっと居場所ができたと思えた」

「もう疲れた。今は居心地のいい場所がどこにもない」

トー横の深い闇 補導への恐怖はないのか。 「別に怖くないよ。家に戻されても皆すぐここに帰ってくるから。私にとってはここが一番安心できる場所なんだから、好きにさせてほしい」  補導強化で、家に戻る未成年がいるのも事実だが、少年少女のことを考えるとそれが最善策とは限らない。2年前からトー横に通っていた17歳の少女Bのケースはこうだ。 「もう10回以上補導で家に帰らされたけど、そのたびにトー横に戻ってた。家にいたら、過去に私を軟禁して無理やり精神薬を飲ませてきた母親と顔を合わせなきゃだから。もう疲れた。今は居心地のいい場所がどこにもない」
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トー横ではない地元で居場所を模索する動きも
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