更新日:2024年02月23日 17:14
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「スノーピーク純利益99.9%減」はブームが“失速”したせい?キャンプ用品が売れなくなった本当のワケ

スノーピークの商品が売れない本当のワケ

スノーピーク

筆者撮影

 また、キャンプ用品の特性に加え、スノーピークが販売している商品が「丈夫で質が高い」ことにより、自らのクビを締めることに繋がったと指摘する。 「スノーピークが人気になった理由は、知名度に加えて丈夫で質が高く、組み立ても簡単だからでしょう。他メーカーと比べて価格は高めですが、初めてのキャンプを少しでも快適に過ごしたい方は、少々高くてもスノーピークを選ぶ傾向にあったと思います。加えて、修理などのアフターフォローも万全なので、一度購入された方はなかなか新しく購入しないんですよね」  実際、店舗で相談された際に予算に余裕がある客には、丈夫で使い勝手のよいスノーピークの製品を勧めることが多かったと、この関係者は話した。

目が肥えたキャンパーはより“映え”を求める

 また、業界歴20年近い経験を持つアウトドアライターは、コロナ禍でキャンプを始めたキャンプ初心者の目が肥えてきたことも、スノーピークにとっては逆風になったと語る。 「コロナ前の2018年くらいから、小規模ながらもこだわりを持ったギアを作って販売するアウトドアブランドが数多く生まれており、キャンプにハマッた人は、そういったメーカーの“映える”ギアを競って買い求めるようになりました。慣れてくるとスノーピークなどのメジャーなテントやギアはみんな持っているので、敬遠されがちになってしまいます。そしてインスタなどのSNSを見て刺激を受け、同じようにカッコよくて映えるギアを持ちたいと思うようになるわけです。 そういったギアは、以前は一部の限られたアウトドアショップなどに行かなければ買えませんでしたが、最近は全てネットで購入できます。アウトドア系YouTuberなどが珍しいギアや映えるギアを解説する動画を配信していることで、キャンプ初心者でも抵抗なくこうしたギアを購入できるようになったのもスノーピークにとっては大きな逆風でしょうね
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キャンプ場の稼働率が減った裏事情
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グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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