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「生活保護家庭で母は薬物依存、中学2年から働かされて…」。やむなく「中卒」で生きる人たちの困難

 高校授業料無償化が進められるなか、忘れてはいけない存在がいる。本人の意思とは裏腹に「中卒」にならざるを得なかった子どもたちだ。教育の機会を奪われた子どもの過酷な生い立ちと厳しい現実に迫った。

高校進学率99%の時代でも「親が進学を許さなかった」

[教育を奪われた]子どもの肖像

写真はイメージです

 高校進学が当たり前の時代になって久しい。文部科学省の「学校基本調査」(令和2年度)によると、中学校卒業者の高校等進学率は98.8%。  だが、ごくわずかながら、高校進学を断念し、本人が望まずに最終学歴が「中卒」になった若者は存在する。 「街を歩く高校生が視界に入ると『楽しそうでずるいな。俺だって制服を着たかった』って何度もねたんできた。でも、もう戻れないから」  こう明かす神奈川県出身の畠山海斗さん(仮名・21歳)は、まさに当事者の一人だ。

暴力を振るわれながら14歳から強制労働