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ガクテンソク優勝『THE SECOND』徹底分析。“後攻有利”はなぜ起きたのか

決勝戦は“結成27年目”と“結成19年目”

 決勝戦は結成27年目のザ・パンチと、結成19年目のガクテンソク。 「もぅ~3回もありがとうございます~」と低姿勢で登場したザ・パンチは、サッカー部員とスカウトを演じながら、16年前のM-1ネタ「砂漠でラクダに逃げられて~」を入れて観客を大いに沸かせる。ガクテンソクは奥田のお誕生日を祝うサプライズパーティーを計画し、最終的にお内裏様の格好でマグロ漁船に乗り「世界に一つだけの花」をハモる。  2組のネタ終了後、コメントを求められた有田は「ガクテンソクには漫才師の凄み、ザ・パンチにはお笑い芸人の凄みを見させていただきました。ありがとうございました」と頭を下げた。そういえば4時間の生放送のあいだ、有田は何度も漫才師たちに「おめでとうございます」「ありがとうございます」と発していた。

「何者かになれたんですけど…」

 結果は243vs294、大会最高得点でガクテンソクの優勝! トロフィーを手に、戦った仲間たちと喜びを分かち合うガクテンソクの2人。かつて相方から解散を切り出されたとき、奥田は「漫才で何者かになって辞めよう」と話したという。何者かになるとは、漫才で1番になること。ということは――。  スタッフロールが流れる、もうすぐ番組が終わる。「テレビをご覧の皆さんに最後に一言」と振られた奥田は、トロフィーを抱えたまま正面を見据えて言い切った。 「何者かになれたんですけど……漫才、辞めません!」  それはまさに、セカンドチャンスをつかんだ瞬間だった。 <TEXT/井上マサキ イラスト/まつもとりえこ 編集/アライユキコ> 【まつもとりえこ】 イラストレーター。『GINZAmag』『QJWeb』などでドラマ、バラエティなどテレビ番組のイラストレビューを執筆。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身。Twitter:@riekomatsumoto
ライター。大手SIerにてシステムエンジニアとして勤務後、フリーランスのライターに。理系・エンジニア経験を強みに、企業取材やコーポレート案件など幅広く執筆するかたわら、「路線図マニア」としてメディアにも多数出演。著書に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』(ダイヤモンド社)など。X(Twitter):@inomsk
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