「後出し」でRBの精度を高めていく
「4コーナーの隊列」に着目してレースの有利不利を見抜く
——予想理論にもなっている「後出し」についても教えていただけますか?
Orfe氏:RBを判定して暫定的にランク付けした後、そのレースに出ていた馬の次走成績によって再評価を行います。これが「後出し」ですね。RBに恵まれなかった馬(前走ランクS・A・C)が次走で巻き返していたり、逆にRBに恵まれた馬(前走ランクB・D)が次走で凡走していたら、設定したRBの信憑性が上がるので、そのまま自信をもって「前走ランクS(A)」の馬を狙うことができます。
例えば7月7日福島11Rの七夕賞、私の◎は
レッドラディエンスでした。前走のメトロポリタンSは少頭数で内ラチ沿いを通った馬が上位入線する『内有利』なRBだったのですが、レッドラディエンスは外を回して0.3差2着に好走。外を通った3着馬
シュヴァリエローズは目黒記念(G2)で2着、対して内ラチ沿いを通った4着馬
ショウナンバシットは巴賞(OP)で8着と明暗がわかれました。この事実からもメトロポリタンSが「内有利」であったことは間違いなく、RB 恵まれない中で2着だったレッドラディエンスは強い競馬。確信を持って七夕賞では◎を打ちました。
——「後出し」で評価が変わるケースもありますよね?
Orfe氏:はい。RBに恵まれたはずの馬が次走も好走し、恵まれなかったはずの馬が次走も凡走しているようなケースはRB自体を見直します。例えば、「内有利」と判定したレースで、内を通った馬が次走でも好走し、外を回った馬が次走でも凡走するようであれば、そもそもRBを「内有利」から「外有利」に変更するのです。こうして柔軟にRBを変更することで、誤った判断に引っ張られて損をし続ける事態を回避できます。
——なるほど。「後出し」をすることによって、どんどん設定したRBの精度が高まっていくわけですか。確かに、一旦、自分が下した判断を改めるのは勇気が要るので、仕組み化されているのはいいですね。
Orfe氏:「後出し」での評価変更が的中に繋がった例として6月2日京都11Rの松風月Sが挙げられます。◎
ジレトールの前走は天王山Sで、このレースは1、3、4、5着馬が内目を通った馬だったためRBを『内有利』に設定しました。天王山S組は(松風月Sが行われた)6月2日までに10頭が次走を走り終えていたのですが、そのうち天王山Sで内目を通った5頭中4頭が次走も好走していたのです。
一方でRBでは不利だったはずの外を通った5頭は次走で全敗。内を通って8着に敗れていた
サンライズアムールは次走の栗東Sを、同じく内を通って5着だった
ナムラフランクは次走で越後Sを勝利し、外を通った6着
サトノテンペストは栗東Sで5着止まりでした。好走馬が内に偏っていたため、RBを「内有利」と設定していましたが、「後出し回顧」の結果、実際は内を通った馬が単純に能力上位だっただけだったということがわかったので、RBを「外有利」に改めました。
松風月Sで◎にした
ジレトールは天王山Sでは内を通って1着。当初のRB「内有利」を適用していたら、「バイアスに恵まれた勝利なので次走は評価下げ」としてしまうところですが、「後出し回顧」の結果「外有利」にRBを改めていたため、松風月Sでも自信を持って狙うことができました(ジレトールは3番人気1着)。