更新日:2024年12月04日 15:52
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「お化けだ」「気持ち悪い」生まれつき“顔のアザ”に悩んだ男性が語る半生。精神疾患になる人も

顔の形成手術はしないと決断

「アザの表面を切り取って、胸や太ももなど柔らかいところの皮膚を縫い付けるという術式でした。顔の皮膚というのは表情を作る筋肉の上に、柔らかい皮膚がのっています。医師の『マトモな顔になるには何年もかかる』『紫外線にあたると移植した皮膚が変色するから帽子をかぶって外出することになる』という言葉に、高校生だった自分は絶望しました」  のちにユニークフェイスの当事者活動をしていた時、親や医師に言われるがまま手術を受けた同世代の男性が石井氏に会いに来たが、その顔はやはり左右対称ではなく、顔半分が傷だらけだった。血管種がなくなったあとが傷になっていた。  その男性は「なぜ石井氏は治さなかったのか」と聞いてきたが、石井氏がワケを話すと「親と医師の説明を聞いて完全に治ると信じていた」とショックを受けたという。 「車の営業をしていた人でしたが、傷だらけで、まるでオカルト映画に出てくるような顔でした。恋人もいないし結婚もしていませんでした」

アザは完全に治るという誤解

ユニークフェイス石井政之 石井氏は情報を集め、20代で顔の形成手術はしないと、自分の人生を決めた。「自分の顔をどうするかは自分で決めたほうがよい」と語る。 「今はレーザーなどでゆっくりだけど、治る人は増えています。だけど、それはアザの面積が狭く、浅い場合です。全員が完治するわけではない。私は医学論文も読んでいます。『完治するんじゃないか』という人がいますが、皮膚には個性があります。治療後の皮膚に個人差があることを一般の人は知りません」  石井氏は1999年3月に『顔面漂流記: アザをもつジャーナリスト』(かもがわ出版)を出版する。 「外見の問題からくる差別や心の傷は日本では放ったらかしでした。本を書こうと思ったのは誰もアザについて書いている人がいなかったからです。本には葉書がついていました。担当編集者に『1通きたら100人の人が読んでいると思いなさい。初版3000部だから30通きたら大成功』と言われました。しかし、私の自宅には、手紙が何百通も届き、編集者は驚いていました」  その内容は、外見の問題で自殺した人の遺族やひどいやけどを負った人、生まれつき髪の毛がないなど、深刻なものが多かった。「一緒にお茶飲みくらいではすまねえな」と思った石井氏は、任意団体ユニークフェイスを立ち上げる。
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アザがあっても女性と交際していた
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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