更新日:2024年12月04日 15:52
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「お化けだ」「気持ち悪い」生まれつき“顔のアザ”に悩んだ男性が語る半生。精神疾患になる人も

アザがあっても女性と交際していた

 顔の問題は「モテ」にも直結する部分があるが、恋人などはできたのか。 「こういう顔をしていると女のフィルターをかけやすいです。嫌悪感を持つ人は寄ってきませんから」  そんな石井氏は後に離婚するものの結婚もし、子どもが2人いる。結婚前には、2桁の女性と付き合ったという。 「2年で一人つきあって別れる。20年経って40歳をすぎれば2桁はいくでしょう。子どもに遺伝するのではと、子どもを作ることを怖がる人がいますが、心配いりません」  単純性血管腫の当事者の話も聞き、論文も読んだが、遺伝は確率的にほぼゼロだと断言する。「ほかの先天性の疾患になる可能性まで考えたら、気にする必要はないです」。

若い当事者たちに伝えたいこと

ユニークフェイス石井政之 現在はピアサポートや当事者会を開催する石井氏。顔のアザで差別を受け、精神疾患になっている人もおり、深刻な内容が多かったという。 「18歳を過ぎて社会に出てからは周囲も大人ですから、礼儀作法を身につけている。トラブルらしいトラブルはなかったです。私は普通に生きていますが、若い世代の当事者は、1人ぼっちで考えている。だけど、できる範囲でいいから、顔と名前を出して、この問題を発信していって欲しい」  そんな石井氏は人生を旅だという。 「人生、1回きりだと思っているし、志半ばで死ぬ人もいます。60歳までに『顔面バカ一代』の続編にあたる単行本を出版したいのと、死ぬまでに100人の当事者の人生をインタビューと寄稿文でまとめた『ユニークフェイス生活史』という書籍を出したいです」と非常に前向きだった。 <取材・文/田口ゆう>
立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1
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