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東京ディズニー、3300億円「クルーズ船」就航へ。寄港地“有力候補”だけじゃない国内への影響

価格は30万円!売上高約1000億円を見込む

 造船されるのは最新客船「ディズニー・ウィッシュ」(全長341.1メートル)の姉妹船にあたり、総トン数約14万トンの大型クルーズ船になる予定です。総客室数は約1250室、乗客約4000人、乗組員約1500人、合計約5500人を乗せて運ぶことが想定され、ドイツの老舗造船所マイヤー・ベルフトが建造を担当します。  ちなみに現在、日本国内最大のクルーズ船は「飛鳥II」です。このクルーズ船は全長241メートル、総トン数50142トン、乗客定員は872名であり、いかに「ディズニー・クルーズ」が日本籍船で規格外の大きさなのか、数字からも実感するのではないでしょうか。  オリエンタルランドによると、就航から数年後には年間乗客数約40万人規模で売上高約1000億円を見込んでおり、まずは首都圏の港からの2~4泊程度の短期旅行を予定し、想定価格は10万~30万円ほどを想定しています。その後は国内外を含めた航路を検討中とのことです。

ディズニー・クルーズの寄港場所はどこ?

ディズニークルーズライン

オランダで運航するディズニークルーズライン ©Studio Porto Sabbia – stock.adobe.com

 ディズニー・クルーズの就航が日本のクルーズ事業の発展を促すということは、同時にクルーズ船の寄港場所が活性化することになります。なかでも寄港先として有力なのが「東京国際クルーズターミナル」と「横浜港」です。  例えば羽田空港や品川・東京駅、東京ディズニーリゾートの最寄駅である舞浜駅、そのどこからも車で30分圏内にあるアクセスの良さが「東京国際クルーズターミナル」の魅力です。  また「横浜港」は外国クルーズ船が日本で最も寄港するなど、東京の外港として発展してきた港です。約4000人という乗客が頻繁に利用することを考えれば、寄港先の都市には、それを見込んだホテル観光業などが発展することが容易に想像されるため、誘致合戦も含めた今後の展開が気になるポイントです。
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邦船大手もクルーズ事業に積極的
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金融ライター、個人投資家。資産運用とアーティスト作品の収集がライフワーク。どちらも長期投資を前提に、成長していく過程を眺めるのがモットー。 米国株投資がメインなので、主に米国経済や米国企業の最新情報のお届けを心掛けています。Webメディアを中心に米国株にまつわる記事の執筆多数 X(旧ツイッター):@usjp_economist

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