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宇都宮でオープンした全国初の“ヤクルトのカフェ”とは。「人気メニューは『カレーdeヤクルト』です」

初のヤクルトのカフェ実現に向けて

アイスdeヤクルト

オンライン販売のみの「アイス de ヤクルト」。御本丸、ゆいの杜では注文が可能になっている

だが、先述のように資金調達も含め新たなアイデアの実現は難しい。どのように本社と掛け合い、カフェのオープンに向けて交渉を重ねたのか。 「我々の構想を応援してくれる本社の役員とやりとりしながら進めていきましたが、一番確認に時間を要したものは、デザインや“商標”の問題でした。企業ブランド価値を損なわないよう、関係者と協議を進め慎重に進めていきました。 ヤクルトのコーポレートカラーである赤は変更できませんし、独特のくびれがある容器の形は立体商標に登録されており、ルールに則って使用しなければなりませんでした。そうした状況のなかで、本社を動かしたのはカフェと、ヤクルトの化粧品を使ったエステサロンを開設することでした」 カフェではヤクルトレディからは買えず、オンライン販売のみの取り扱いだったヤクルトアイス(アイス de ヤクルト)が食べられるという付加価値を提供できるわけだ。 後者もこれまでは、ヤクルトレディがチラシを持って販促していたが、実際に化粧品を試せる場を作ることで、商品の認知度アップや購買につながる。 こうした“ヤクルトのカフェをやる意義”を見出すことで、本社を巻き込むことに成功し、構想を具現化させていったという。

カフェ開業前からの話題づくりを意識

「Yakult1000」のオブジェ

ヤクルトサービスセンター御本丸 カフェ&ギャラリーの前にある「Yakult1000」のオブジェ

加えて、開業前の話題化も意識していたそうだ。御本丸のサービスセンターの工事中に「Yakult1000」の巨大オブジェを設置。 「一体何ができるのか?」という好奇心やインパクトのあるオブジェが反響を呼び、SNSでの拡散につながった。 「ヤクルトの巨大オブジェは実を言うと20年前からあったもので、『Yakult1000』の前には『ヤクルト400』のオブジェもありましたが、会社の中に隠れていたんです。 そのため、一般の方の目に触れる機会はほとんどありませんでした。そこで、幅広い世代にヤクルトのカフェの存在を知ってもらうと画策したのが、店舗前にオブジェを置いた背景になっています」 このような宇都宮ヤクルト販売の新しい試みは、ヤクルト本社にもその熱が伝わっていき、ヤクルトのカフェのオープン前にはヤクルト本社の社長も視察に訪れたそうだ。 「ヤクルト本社からすれば、過去に前例がない取り組みで、『どんな面白い取り組みをしているのか』というのを確かめるために、社長にもお越しいただきました」
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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ヤクルトサービスセンターゆいの杜 Mori no Café
栃木県宇都宮市ゆいの杜5-15-5
TEL 028-666-4800
ヤクルトサービスセンター御本丸 café & gallery
栃木県宇都宮市本丸町1-43
TEL 050-8892-8986
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