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資産10億円のFIRE投資家。“負けない不動産投資”において「利回りは実は重要ではない」と語る納得の理由

無敵の投資家になるツールとしての「不動産投資」

負けない投資家を考えたとき、私がたどり着いたのは「不動産投資」でした。といっても買って、「値上がりして売却して儲かるキャピタルゲイン狙い」ではなく、安定的な家賃収入を得ながらインカムゲインを得る不動産投資です。 ですから、私の不動産投資をする際の要件は「しっかりと家賃収入が得られる」こと。そのためには中古マンションのワンルームで場所は東京23区内で狙います。少子高齢化社会の日本でも、東京であれば今年2025年まで人口が増加すると予測されています。そして皆さん想像してみてください。人が減っていくとどうなるでしょうか? インフラが維持できなくなった集落は廃棄され、住んでいた人々はインフラが整備された所に移動していくのではないでしょうか? 集約が進むと日本のなかで最後まで人が多い場所はどこか。おそらく「東京になるのではないか」と私は考えています。 そして、「しっかりと家賃を得る」ためには、通勤通学できる環境が良いこと。23区内の駅からほど近い物件であることを目安にしています。そしてもっとも重要だと言われている利回りは……。実はそれほど気にしていません。よく不動産投資家は「利回り何%以上じゃないと投資しない」というお話をされますが、正直な話ナンセンスだと考えています。

「不動産投資」で利回りよりも大事なもの

理由は2つあります。まず、「値段を聞いて高いか安いか」は、人やシチュエーションによって変わるからです。 例えば、「ラーメン一杯2000円は安いと思いますか?」と聞かれたらどうでしょうか。感覚的には「高い」と答える方が多いのではないでしょうか。でも、同じ店でうどんが一杯3000円だったら? 富士山の頂上で凄くお腹が空いていたら? あなたの毎月の収入が1億円だったら? など、人の置かれた条件や求めるもので、値段は安くも高くも感じるものなのです。 誰かに提示された基準を持つことは、投資においては失敗につながります。自分自身で「どれぐらいの利回りがいいか」という基準を持つべきで、その基準自体も状況によって変わっていってよいのだと思っています。 もう一つ、そこまで利回りを気にしないのは、私は「利回り」よりも「キャッシュフロー」を重視するからです。100万円での利回り20%は20万円ですが、1000万円での利回り5%ならば、50万円です。そもそも我々は利回りの高さが欲しかったのでしょうか? そうではなく、お金を増やしたかったのではないでしょうか。利回りばかりに気を取られ、本来欲しかった「手元に残る額」を見失う方が多いように感じています。投資は「元本×利回り」でリターンが計算できます。利回りの高さは、リスクの高さを表します。もちろん、利回りが低いからといって必ずしもリスクが低いわけではありませんが、高い利回りの場合、確実にリスクも高いのです。 「負けない投資家」になるためには、いかに元本を多く投下するかを第一に考えるべきです。でなければ、結果的にリスクを取ることになり、勝ち負けが生じる投資の「勝負」に巻き込まれてしまいます。 利回りの高さを求めるのではなく、いかに手元に入ってくるお金を増やすか、いかに資産を増やすか、を忘れずに投資に取り組んでいただきたいと思います。 私自身は不動産投資の分野で資産総額や総家賃収入で誰かに勝つことは到底考えていません。密かに目標にしているのは、東京23区内のすべての区で物件を持つこと。あいにく、まだ条件が折り合ってなくて23区制覇はまだ出来ていませんが……。この目標であれば誰かに勝つ投資ではなく、誰とも戦わずに負けない投資になるのです。 構成/上野 智(まてい社)
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち16区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)
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