スポーツ

巨人が“大型補強したシーズン”を振り返る…「ラミレス、クル-ン入団」の2008年は稀に見る成功例だが、大失敗した年も

【成功③:2019年】新戦力が起爆剤となってリーグ制覇

2018年のシーズンオフに広島から移籍してきたのが丸佳浩と炭谷銀仁朗だ。特筆すべきなのは、丸である。3番打者として打率.292、27本塁打、89打点の好成績を残し、初年度から打線の核になった。 また、炭谷の加入により、捕手3人体制としたことが功を奏したシーズンでもあった。正捕手である小林誠司、一塁手と兼任で左投手を上手くリードできる大城卓三、そして炭谷。この3人を投手との相性で臨機応変に使い分けた。また、負担も分散されたことにより、パフォーマンスを低下させることなくシーズンを終えられた。

【失敗①:2017年】補強選手含め、大きく歯車が狂った

高橋由伸政権の初年度である2016年は、2位に終わった。翌年に備えて球界史上初の「トリプルFA補強」を敢行し、山口俊や森福允彦、陽岱鋼を獲得。 だが、陽はキャンプ中の故障で出遅れる。後半戦になってから1番に定着したが、日本ハム時代と比較すると物足りない成績。 森福は、得意の左打者に通用せず、精彩を欠く結果に終わった。きわめつけは、泥酔したうえ暴行騒動を起こしたのが山口俊。これでは、Bクラスに終わるのも納得の体たらくである。 ただ、補足すると山口俊は、翌2019年に最多勝、最多奪三振、最高勝率に輝き、リーグ優勝に大きく貢献した。
次のページ
【失敗②:2015年】補強選手が噛み合わなかった
1
2
3
4
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55

記事一覧へ
おすすめ記事