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巨人が“大型補強したシーズン”を振り返る…「ラミレス、クル-ン入団」の2008年は稀に見る成功例だが、大失敗した年も

【失敗②:2015年】補強選手が噛み合わなかった

リーグ3連覇後の2015年。原辰徳監督第二次政権の最終年に獲得したのは、相川亮二と金城龍彦。 金城は、古巣のベイスターズ戦で本塁打を放つなど、春先には気を吐いていた。しかし、その後は主軸の長野久義はもちろん、亀井善行や当時若手の橋本到、立岡宗一郎との競争に敗れ、シーズンのほとんどを2軍生活で過ごした。 小林と正捕手を争っていた相川は4月に右太ももの肉離れ、7月末に左手首を骨折するなど故障に泣かされた。捕手別の防御率を見ても、適応に苦しんだ様子がうかがえる。 小林:56試合:防御率2.53 阿部:23試合:防御率1.89 相川:31試合:防御率3.38

【失敗③:2021年】投打のベテランを獲得も機能せず

時代の変化もあり、巨人へ移籍する大物選手は少なくなった。2020年オフは山田哲人(現・東京ヤクルトスワローズ)に振られ、梶谷隆幸と井納翔一を獲得した。 だが、梶谷は、開幕してすぐは好調を維持するも、怪我に苦しみ続ける1年になった。井納は開幕ローテーションこそ勝ち取ったが、安定感がなく、すぐに2軍に降格した。 この両選手は選手としてのピークが過ぎており、ほとんど機能しなかった。
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巨人に移籍した数年後に活躍するケースも
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野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55

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