「50代前半で脱サラ→準備1週間で起業も月収2万円…」それでもドン底から這いあがれたワケ
人手不足が深刻化する中で、優秀な若手を確保しようと大手企業の間で初任給を引き上げる動きが加速している。大卒で月30万円台に乗せる企業も相次いでいる一方、既存社員の給与は現状のままという企業は少なくない。転職を考えているものの、なかなか踏ん切りがつかないという人は多いだろう。
だが、思い切って転身したことで、成功を掴んだ人もいる。現在、セミナー講師として活動する天乃愛湖氏もその1人。彼女が前職を辞めて起業したのは50代前半のときだった。
「私は広告の仕事に関わりたくて、短大を卒業後、グラフィックデザイナーとして1年活動しました。その後、広告代理店で企画・ディレクションを担当するようになり、広告業界では20数年に渡って働いていましたね」
働きぶりが評価された天乃氏は、派遣社員ながらも、大手広告代理店でブランド管理も任されていたというが、転機は突然訪れる。
「担当した仕事で社長賞をいただくなど、絶好調だったときに、待遇のよくない会社や部署しか紹介していただけなくて……。広告の仕事に無意識に満足していたこともあり、月収は手取りで35万円ほどありましたが、2019年に脱サラすることを決めました」
起業の準備は、1週間で整えたという。
「絶好調のまま新しい仕事を始めたかったので急いで起業しましたが、ずっと会社勤めだった私は右も左もわからなくて……。会社経営者の知人たちに相談して、肩書もない中で、携帯番号とメアド、SNSのQRコードだけ記載した名刺を作りました。自宅にネット環境がなくて、当時はポケットWi-Fiを使っていましたね」
天乃氏が新たな仕事に選んだのは、占い師。広告業界で働く傍ら、占い師としても活動していたそうだ。
「以前は、広告業界で定年まで働いた後に占い師として働くのが夢でした。それで占い師として活動を始めたのですが、知り合いの女性経営者さんから『愛湖さんが日頃口にしている潜在意識や、手帳術をちゃんと学びたい』とリクエストされて。
私は24歳のときにとある方から成功哲学プログラムを学び、その教えを取り入れた手帳術を長年実践してきました。ただ、1人でやるのに飽きてしまい、2013年の年末から友人を集めて手帳作りの会を実施したり、遊び感覚で手帳術の3回講座を開催したりしていました。そういった経験があったのと、ほかにも3人ほどちゃんと学びたいと言ってくれた方がいたので、潜在意識や量子力学・手帳術を教える講座を主催することに決めました」
広告業界から異業種へ転職
知人にお願いされて講座を開設することに
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