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高級腕時計、上昇相場の新トレンドは「金時計の上昇」。30年遅れて“プレミア価格”の背景

相場も伸びている

2023年に出たデイトナが、2023年12月⇒2025年現在で上昇となっているように、こういった期間で「値上がり」となるK18モデルは珍しくありません。 ステンレス製の人気モデルの場合、「2022年春に急上昇後値下がり」となってから、「2022年春水準未満」という状態が珍しくありませんが、デイデイトなどは2022年春超え、つまり『今が最も高い』といったモデルが多々存在します(118238など)。 そういったことからも、K18モデルの勢いが感じられるわけですが、特にブレスレットを採用しているK18モデルが伸びている印象があります。 ブレスレットのK18モデルは、それ自体をラインナップするブランドが少ないため、現在のように、K18に対する関心が以前よりも高まったら「相場も伸びる」ということになったのだと思います。 ロレックスにおいては、K18ブレスレットモデルの展開が珍しくないため、「ブレスレットのK18モデルが多くない」というのは意外かもしれません。しかし、ロレックスの他で積極的にK18ブレスレットモデルを展開するブランドはあまりないのです。 実際、「ラグスポ」を展開する雲上ブランドでも、K18ブレスレットモデルの展開は少なく、元祖ラグスポであるロイヤルオークについてもステンレスが基本であります。 また、オメガやタグホイヤー、ブライトリングといったブランドは、価格帯がロレックスよりも安価な傾向があるため、もともとK18モデルの展開が多くありません。 ですから、K18ブレスレットのモデルをロレックス以外で探そうと思ったら、意外とモデル数が少ないため、そういったことからしても相場が上がりやすいのかもしれません。

今後もK18人気は上がる可能性あり

以上、現在におけるK18腕時計の勢いをお伝えしましたが、今後もK18モデルの需要は伸びるのではないか、と私は思っています。 というのも、K18という素材を展開するのは高級腕時計ぐらい。ステンレスの腕時計は、1万円未満でも手に入りますが、K18の腕時計となると、素材それ自体が高値であるため、安価なものはありません。 ですから、せっかく高級腕時計を楽しむのであれば、豪華なK18を買うといったほうが「実はしっくりくる」といえるため、これまでの「ステンレスが最も人気」という時代が、もしかしたら終わるかもしれないと、私は思っている次第です。 実際、偽物腕時計の世界でも、「本物に引けをとらない偽物」があるわけですが、結局それらはステンレス素材。K18の偽物は見たことがありません。 そういったことからしても、やはりK18腕時計の格は圧倒的といえるわけで、これまで「K18は自分に関係ない」と思っていた人も、徐々に「どうせならK18の高級腕時計を買いたい」というようになっていくのではないでしょうか。<文/斉藤由貴生>
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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