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「公明党に対する嫌悪感」を選挙現場で実感…自民党と公明党の“仲違い”が起きた原因

自民党と公明党は1999年から連立を組み、選挙協力をしてきました。その選挙協力は、特に小選挙区制を採用している衆議院議員選挙の候補者調整で威力を発揮しています。 次の衆院選では、一票の格差を是正する目的で選挙区の区割りが見直されました。東京都の選挙区は、新たに5つ増えることが決まっています。そのうち、東京28区を巡って自民党と公明党の意見が対立。最終的に、東京28区には自民党の候補者が擁立されることになりそうですが、それで腹の虫がおさまらないのが公明党です。 公明党は、次の衆院選で東京都の小選挙区限定ながらも自民党の候補者に推薦を出さないと明言。この方針は選挙協力の解消を意味します。この決定は永田町を駆け巡り、自民党と公明党の関係に亀裂が入ったと囁かれています。自民党と公明党の間に何が起きたのでしょうか? 首相官邸取材歴が約15年のフリーランスライター・カメラマンの小川裕夫が、衆院選に向けて慌ただしく動き回る各党の事情を解説します。
舛添要一

2014年の東京都知事選では、舛添要一候補(中央)を応援するために自民党の安倍晋三総裁(左)と公明党の山口那津男代表(右)が顔を揃えた(2014年撮影:小川裕夫)

「衆議院解散」の風聞を裏付けるのは…

昨年の参院選で自民党は大勝。今後の3年間は大きな国政選挙がなく、岸田首相は盤石な政権運営ができる黄金の3年間を手にしたと言われました。 しかし、年明け頃から永田町界隈で岸田首相が「衆議院を解散するのではないか?」という風聞が流れるようになりました。衆議院の解散は首相の専権事項です。そのため、解散話は永田町の風聞に過ぎません。しかし、次の選挙で出馬することを考えている現職の衆議院議員や立候補予定者は油断できません。常に選挙の準備は怠れないのです。 近いうちに衆議院の解散があるのでは? という風聞を裏付けるのが、各党が小選挙区で擁立する候補者の選定に動いていることです。

“一本化”で自民党と公明党が衝突

解散がなければ、衆議院議員の任期満了は2025年です。約2年の猶予があるので、各党が焦る必要はありません。本来なら、時間をかけてじっくりと候補者を選定していくはずです。 ところが、各党は候補者の選定を急ピッチで進め、そこで自民党と公明党が衝突したのです。これまでの自民党と公明党の選挙協力で、もっとも威力を発揮したのが候補者の調整、いわゆる“一本化”です。 衆院選は小選挙区制を採用しているので、ひとつの選挙区で当選するのは一人だけです。比例復活で当選することもできますが、小選挙区制で自民党と公明党双方が候補者を立てることは票を奪い合うにつながります。それは共倒れリスクが増すだけです。 そのため、自民党と公明党は、おおむね小選挙区で自民党候補を立てる方針にし、公明党は比例に注力してきました。自民党候補者は支持者に対して「比例は公明」と呼びかけてきたのは、そのためです。
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自公ほどの成果が出せていない「野党候補の一本化」
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