再始動のKEMURI「日本の音楽シーンに感じること」
5年の沈黙を破り活動を再開したKEMURI。彼らは今、その曲調を表すが如く、まさに疾走している。6月5日にはついに待望の新作アルバム『ALL FOR THIS!』をリリース。さらにその新作を引っさげて、6月14日の横浜ブリッツを皮切りに、全国11か所を廻るリリースツアーもスタートさせた。
再び動き出した彼らを突き動かした思いとは、一体何なのか。ヴォーカルの伊藤ふみおに、その胸中を聞いた――。
⇒【中編】「このアルバムのために、解散も再結成もあった」
https://nikkan-spa.jp/447189 ◆「お客さんも、我が家に帰って来たような感覚なのかな」 ――解散前と比べて、日本の音楽シーンに対して感じることはありますか? 伊藤:KEMURIを始めたときからずっと英語で歌っているのには、世界中の人に聴いてもらいたいって意識があるんですよ。そういう意識を持ってやっているバンドって、いまだにずっとそうだから、そういう音楽に対してはすごく惹かれますよね。例えばスカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)さんなんかと一緒にライヴをやらせてもらうと、すごく刺激を受けるし、楽しいし、すごくかっこいいなって思う。『世界中に自分たちを発信していきたい』という思うがすごく伝わるから。スカパラさんなんかは海外のフェスに出ることも多いから、『一回のライヴでどれだけお客さんの心を掴めるか』ってとこで勝負するわけじゃないですか。先日も一緒にライヴをさせてもらいましたけど(注:5月14日のKEMURIが主催するチャリティーライヴ「YOUGO」に対バン相手として登場)、ステージ横から見ていて、そういう気持ちはすごくわかりましたよ。5月14日のライヴはスカパラさんが出るという告知はなしで、前日に発表されたんです。だから、お客さんはみんなKEMURI目当てで来ていただろうし、当然、少しはアウェーな空気になりますよね。そのなかでも、みんなで会場を盛り上げまくる。そういうのは、外を見る意識があるからできるんじゃないかなって思うし、すごく惹かれますよね。 ――そのライヴを会場で見させていただいたんですが、伊藤さんがMCで観客に「ありがとう」と何度も言う姿が印象的でした。 伊藤:まあ、昔からそれは言っていたんですけどね。でも、またこうやって(KEMURIを)やれるっていう気持ちが強かったのかもしれないですね。またこのメンバーでやれているのがすごく楽しいし、それに対しては本当に感謝していますから。 ――ライヴには子供連れの方などもいらっしゃいました。お客さんの層にも変化を感じますか? 伊藤:僕らももう、再来年で結成20周年ですからね。最初から好きでライヴに来てくれている人だと当然子供もいるだろうし、あとはファン同士で結婚したっていう人もいますから。それだけ長くなると、やっぱり何かしらの変化はありますよね。でも最近、なんか昔よりもライヴが激しくなっている気がするんですよ(笑)。久しぶりだったからですかね。 ――KEMURIのライヴは“モッシュ&ダイブ”が激しいことでも知られています。先日のライヴでも、20代から40代の観客が汗だくになりながら踊っている姿が圧巻でした。 伊藤:お客さんにしても、「あーこの雰囲気、懐かしいなぁ」と思ってくれてるんじゃないですかね。わが家に帰って来たような……。それで、安心してくれているんじゃないかな。やっぱり、安心感がないとあそこまで激しくなれないですから。かまえたままだとライヴは全力で楽しめないですよ。そういう意味ではすごく、いいライヴをできているなと感じますね。 ――6月からは全国ツアーも始まります。意気込みをお聞かせください。 伊藤:いいアルバムができたので、自然体で激しいライヴをやりたいなと思っていますね。どこまで新しいアルバムが期待されているのかわかりませんけど、「ここまでいいアルバムができたか!」と自分たちでは思っているので。もう、確実に進化しているから。それは自分たちで楽しみたいと思っていますね。 ――最後に読者へメッセージをお願いします。 伊藤:自分たちで最高だと思えるアルバムができたので、ぜひ聴いてほしいし、ライヴは最高に楽しくなると思いますよ。で、どんな人に聴いてほしいかというと、「俺、どうなのかな?」って、自分自身に対して疑問を持っちゃった人。そして、一度でもライヴに来てもらいたいんです。一度解散して、再結成した俺らだからこそ、説得力があることってあると思うんですよね。だからそんな自分に自信がない人にこそ、是非聴いてもらいたいと思っています。 <取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/林 健太 写真提供/cutting edge> 【伊藤ふみお(KEMURI)】 スカパンク・バンド「KEMURI」のヴォーカル担当。’95年の結成以来、シーンの第一人者として活動を続け、’07年12月に惜しまれつつKEMURIを解散。しかし昨年9月、Hi-STANDARDの呼びかけに応じ、宮城で開催された“AIR JAM 2012”で5年振りの再結成を果たす。6月5日には再結成後初となるスカパンクアルバム『ALL FOR THIS!』をリリース。全国11か所を廻るリリースツアーも開始。詳しくはHP(http://kemuri.com/)をチェック!
https://nikkan-spa.jp/447189 ◆「お客さんも、我が家に帰って来たような感覚なのかな」 ――解散前と比べて、日本の音楽シーンに対して感じることはありますか? 伊藤:KEMURIを始めたときからずっと英語で歌っているのには、世界中の人に聴いてもらいたいって意識があるんですよ。そういう意識を持ってやっているバンドって、いまだにずっとそうだから、そういう音楽に対してはすごく惹かれますよね。例えばスカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)さんなんかと一緒にライヴをやらせてもらうと、すごく刺激を受けるし、楽しいし、すごくかっこいいなって思う。『世界中に自分たちを発信していきたい』という思うがすごく伝わるから。スカパラさんなんかは海外のフェスに出ることも多いから、『一回のライヴでどれだけお客さんの心を掴めるか』ってとこで勝負するわけじゃないですか。先日も一緒にライヴをさせてもらいましたけど(注:5月14日のKEMURIが主催するチャリティーライヴ「YOUGO」に対バン相手として登場)、ステージ横から見ていて、そういう気持ちはすごくわかりましたよ。5月14日のライヴはスカパラさんが出るという告知はなしで、前日に発表されたんです。だから、お客さんはみんなKEMURI目当てで来ていただろうし、当然、少しはアウェーな空気になりますよね。そのなかでも、みんなで会場を盛り上げまくる。そういうのは、外を見る意識があるからできるんじゃないかなって思うし、すごく惹かれますよね。 ――そのライヴを会場で見させていただいたんですが、伊藤さんがMCで観客に「ありがとう」と何度も言う姿が印象的でした。 伊藤:まあ、昔からそれは言っていたんですけどね。でも、またこうやって(KEMURIを)やれるっていう気持ちが強かったのかもしれないですね。またこのメンバーでやれているのがすごく楽しいし、それに対しては本当に感謝していますから。 ――ライヴには子供連れの方などもいらっしゃいました。お客さんの層にも変化を感じますか? 伊藤:僕らももう、再来年で結成20周年ですからね。最初から好きでライヴに来てくれている人だと当然子供もいるだろうし、あとはファン同士で結婚したっていう人もいますから。それだけ長くなると、やっぱり何かしらの変化はありますよね。でも最近、なんか昔よりもライヴが激しくなっている気がするんですよ(笑)。久しぶりだったからですかね。 ――KEMURIのライヴは“モッシュ&ダイブ”が激しいことでも知られています。先日のライヴでも、20代から40代の観客が汗だくになりながら踊っている姿が圧巻でした。 伊藤:お客さんにしても、「あーこの雰囲気、懐かしいなぁ」と思ってくれてるんじゃないですかね。わが家に帰って来たような……。それで、安心してくれているんじゃないかな。やっぱり、安心感がないとあそこまで激しくなれないですから。かまえたままだとライヴは全力で楽しめないですよ。そういう意味ではすごく、いいライヴをできているなと感じますね。 ――6月からは全国ツアーも始まります。意気込みをお聞かせください。 伊藤:いいアルバムができたので、自然体で激しいライヴをやりたいなと思っていますね。どこまで新しいアルバムが期待されているのかわかりませんけど、「ここまでいいアルバムができたか!」と自分たちでは思っているので。もう、確実に進化しているから。それは自分たちで楽しみたいと思っていますね。 ――最後に読者へメッセージをお願いします。 伊藤:自分たちで最高だと思えるアルバムができたので、ぜひ聴いてほしいし、ライヴは最高に楽しくなると思いますよ。で、どんな人に聴いてほしいかというと、「俺、どうなのかな?」って、自分自身に対して疑問を持っちゃった人。そして、一度でもライヴに来てもらいたいんです。一度解散して、再結成した俺らだからこそ、説得力があることってあると思うんですよね。だからそんな自分に自信がない人にこそ、是非聴いてもらいたいと思っています。 <取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/林 健太 写真提供/cutting edge> 【伊藤ふみお(KEMURI)】 スカパンク・バンド「KEMURI」のヴォーカル担当。’95年の結成以来、シーンの第一人者として活動を続け、’07年12月に惜しまれつつKEMURIを解散。しかし昨年9月、Hi-STANDARDの呼びかけに応じ、宮城で開催された“AIR JAM 2012”で5年振りの再結成を果たす。6月5日には再結成後初となるスカパンクアルバム『ALL FOR THIS!』をリリース。全国11か所を廻るリリースツアーも開始。詳しくはHP(http://kemuri.com/)をチェック!
『ALL FOR THIS!』 全13曲を一気に駆け抜ける超アグレッシヴなパンク・アルバム |
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