雑学

かつての「憧れタウン」、ニュータウンの枯れた風景

消費税率アップを控え、都心部で流行りの高層タワーマンションや、郊外のオシャレ住宅街の一戸建てに駆け込み需要が集まっている。しかし、そんな一生の買い物の先には、上層階の億ション住民の横暴や、先住民の陰湿なイジメが持っているという。SPA!では、そんな悲惨な現状をリポートしたきたが(http://nikkan-spa.jp/547248)、一方で高度経済成長の真っただ中に隆盛を迎えたニュータウンはいまどうなっているのだろうか?

◆30年後の世界!? ニュータウンの枯れた風景

ニュータウン 高度経済成長の真っただ中に隆盛を迎えたニュータウンでは、住民同士の自意識のせめぎ合いは今も昔もあまり起きていないらしい。

 ’68年から入居が始まった名古屋圏の高蔵寺ニュータウン。その近郊で半生を過ごす30代のOLは、「タウン内にそこまで密なコミュニティができていないので、村社会のような排他的な雰囲気は感じたことがないですね」と語る。タウン内には団地タイプの集合住宅と戸建ての物件が混在しており、住民の所得差は広いが、周辺の小学校でも住まいによる仲間意識や差別意識が問題になった記憶はないという。村八分が成り立たないような薄いつながりゆえに、最近は住民の孤立死が問題視されているくらいだとか。

 実際、同タウンの住民は’95年の5万2000人をピークに、20年弱で4万6000人まで減り、急激な高齢化に直面している。住民がNPO法人を設立して、住民間の繋がりを強化したり、若い世代の入居者を増やす取り組みを実施したりするほど事態は深刻だ。もともと隣人を意識するほど強い繋がりがないところに、孤立死という恐怖が降りかかってきてヒエラルキー云々言っている暇がないのも頷ける。最初期のニュータウンや高齢者の多いマンション、団地などはどこも似た問題を抱えているようだ。

 ただし、人がいる限りトラブルはなくならない。都営団地に住む70代の女性は「住み込みで私の介護してくれている孫の存在を知った誰かが、都に密告したんですよ。孫は普段会社で働いているので所得制限を上回るということで、危うく追い出されそうになりました」と語る。なんとか介護士という体で残ることはできたものの、それ以来、女性は完全に疑心暗鬼に陥っているという。最後まで枯れないのは嫉妬心か……。

― 憧れタウンに潜む[新階級社会]を追う!【8】 ―




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