「同情するなら仕事くれ!」本当の復興はこれからだ
― 被災地「地元紙」が見た復興を阻む意外な大問題【5】 ―
“あの日”から半年以上が経つ。被災地の「地元紙」は、3・11以前から、街に寄りそい、そして以降も地域の避難情報、救援情報を発信し続けている。被災者でありつつも記者という立場の彼らだからこそ見える課題がある。大マスコミからは注目されない現場事情を追った
【石巻】
◆生活支援が重視されるなか、企業支援の遅れが問題に
大規模ショッピングモールに人は集い、石巻市は日常を取り戻したように見える。が、海に近づくにつれ、交差点の信号機は壊れたまま。商店街は歪んだシャッター、ガレキだらけの内部をむき出しにした店も目立つ。街を襲った津波の爪痕は色濃く残るが、それでも石巻日日新聞報道部長の武内宏之氏は、「6か月で、ここまでキレイになりましたよ」と、この半年を振り返る。
「津波で流された膨大なヘドロやガレキなどが道に積み重なっていましたが、そのほとんどが撤去され、クルマも走れるようになりました。目に見える部分については、だいぶ片付いてきましたね」
が、ガレキが撤去されたことで、沿岸部の南浜地区、門脇地区は、ほぼ骨組みだけとなった一部の建物を除き、更地に近い状態。ここが住宅地だったとは想像ができない景色だ。「これまでは環境を整えている段階で、本当の復興はむしろこれから」なのだ。
「石巻市の復興関連事業費は2兆円にもなると言われています。一方で『震災復興基本計画』の策定が遅れており、具体的な土地利用の計画が定まらないため、設備投資を行いたくても行えず、足踏みする企業も出ています」
⇒【後編】に続く「求人はあれども、難しいマッチング!」
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⇒【画像】被災エリアは広大な更地に…写真で見る石巻市
https://nikkan-spa.jp/62624
<石巻日日新聞>
「被災した事業所の復興を第一に急ごう」(9月11日付)
創刊年:1912年/配布エリア:石巻市、東松島市、女川町
部数:震災前約1万4000部 震災後約7500部(有料)
震災による停電や輪転機の故障で通常の発行がままならないなか、近江弘一社長を中心に話し合い、手書きの壁新聞の制作を決断。自身も被災した記者たちが各所で取材を続け、電力が復旧するまでの6日間、新聞用ロール紙に油性ペンで記事を書き、市内の避難所やコンビニエンスストアに貼り出した。この壁新聞は海外でも注目を浴び、そのオリジナル版は米・ワシントンの報道関連の博物館「Newseum」で展示・保存されている
- 被害が大きかったエリアのひとつ門脇地区。火災の跡が残る小学校と崩れ落ちた墓地が、この街を襲った津波の脅威を今に伝える。住居跡と思しきガレキの脇には漬物のビンが置かれていた
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