デジタル

「ポケットサイズのPC」という謎のブームが起きている

スマホ、タブレット全盛時代にあってパソコンの存在感は薄れ気味……と思いきや、時ならぬホットなムーブメントが起きていた! ◆昨年11月にブーム勃発! 巨人・インテルも名乗り!?
パソコンショップ

ポケットPCはPCパーツショップやBTOパソコンショップを中心にブレイクした。入荷待ちが続くショップも

 カバンばかりか、ポケットに入れても持ち運べる超小型PCがこの冬からにわかに注目を集めている。昨年11月にスマホサイズの「ZBOX P」が登場してガジェット好きの間で評判になったのを皮切りに、続く12月にスティック型PC「m-Stick」が売り出され、2万円切りの安さも手伝って大ヒット。発売から3か月近くたっても供給が追いつかないほどの反響が続いている。  さらに、年明け直後に米インテルもスティック型PCの開発を進めていると明らかにしたことで、今後PC業界全体にブームが広がる可能性すら感じられるようになった。
ZBOX PI320 pico Win8.1 with Bing

ZBOX PI320 pico Win8.1 with Bing

 これら「ポケットPC」は、タブレットで採用されている省電力CPUを搭載し、メモリやストレージ容量を抑えることで破格の小ささを手に入れた。  加えて、OSにライセンス料がかからない「Windows8.1ウィズBing」を使うことで大幅なコストダウンも実現。同OSは通常のWindows8.1とほとんど同じもので、一定条件を満たした小型デバイスにしか組み込めない。一般的なPCではあり得ない価格が成立する秘密はそこにある。  つまるところ、ポケットPCとはタッチディスプレイのないWindowsタブレットのようなもの。
m-Stick MS-NH1

m-Stick MS-NH1

 性能はそこそこだがリーズナブルで、小回りが利く。テレビのHDMI端子に挿して、マウスやキーボードと接続すれば、そのまま大画面でのPC作業ができてしまう。Wi-Fi内蔵なのでネット環境にはもちろんつながるし、USBやBluetooth、マイクロSDカードスロットなどを介してさまざまなデバイスを組み込むこともできる。ネットにあるフルHD動画を観賞したり、ワードやエクセルでちょっとした仕事をする程度なら十分快適にこなせるので、使い道は幅広い。  給電には付属のACアダプタが必要だが、消費電力が低いので、モバイルバッテリと組み合わせることも不可能ではない。USBメモリにデータを入れる感覚で自宅のPC環境を持ち歩けば、職場であれ出張先であれ(ディスプレイとキーボードのある環境なら)「どこでもメインマシン」を実現することが可能なのだ。 ⇒【後編】「ポケットサイズPCって、どんな人が買ってるの?」に続く https://nikkan-spa.jp/806800 <PCはここまで小さくなった!!> ●ZBOX PI320 pico Win8.1 with Bing(ZOTAC) 実勢価格3万5000円前後/66×115.5×19.2mm スマホサイズのPCで、ディスプレイの背面などに固定できる。CPUはAtom Z3735Fで、ストレージ容量は32GB。容量が2倍の上位モデル「PI321」(実勢4万円前後)もある ●m-Stick MS-NH1(マウスコンピューター) 実勢価格1万9800円/38×100×9.8mm 32GBのストレージとAtom Z3735Fを搭載したスティック型PC。テレビなどのHDMI端子に直挿して、BluetoothやUSBで入力機器をつなぎ、付属のAC電源で給電する
Intel Compute Stick

Intel Compute Stick

●Intel Compute Stick(Intel) 価格未定(3月以降の発売を検討中)/未公開(長さ100mm程度) 2015年早々、米インテルが発表したスティック型PC。クアッドコアのAtomを搭載し、m-Stickと同じく本体から伸びたHDMI端子でつなぐ仕組みだ。OSなどの仕様は未公開 ― ポケットサイズのPCという謎のブームに迫る【1】 ―
ZBOX PI320 pico Win8.1 with Bing

Intel Atom Z3735F搭載ポケットサイズのコンパクトPC

m-Stick

32GBのストレージとAtom Z3735Fを搭載

おすすめ記事