更新日:2017年11月27日 21:20
カーライフ

リッター40kmでも4代目プリウスに世界征服はムリ。ハイブリッドカーには節約の道しかないのか?

 新型プリウスのカイゼンは、すべてが地道だ。燃費に限らず走りも同様。もっといいクルマを! という豊田章男社長の掛け声のもと、ボディ剛性を高め重心を落としサスを改善しトランクを広くした。アスリートがコンマ1秒を削るために体をいじめ抜くように。涙が出ます。  確かに新型プリウスの走りは良くなった。ドイツ車的にかなりガッチリしたし、曲がるのも得意になった。音も静かだ。しかし加速はあまり変わってない。燃費が命なのでどうしてもそうなる。プリウスのコンセプトである「節約」はいささかも揺らいでいないのだ。  それで全然OKなのは世界中で日本だけ。あとアメリカで少々。その他の国々では「高いカネ払ってまで節約したくねえし!」とサッパリだ。中国人なんぞ見向きもしない。つまり、4代目プリウスが世界を征服する日は来ず、逆にますますガラパゴス化する可能性が高い。  それでもプリウスはこの道を進む。この道とはつまり節約の道。武士道の如き一途な節約道である。そこに少しだけ疑問も生じるのだ。本当にプリウスにはこの道しかないのか? 節約だけじゃなく、人類の贅沢系の欲望に応えるプラスアルファがあってもいいんじゃ?と。そうしないと世界制覇はムリなので。  せめて、追って登場するはずのプラグインハイブリッド版は、もうちょいパワフル系だとガラパゴス化を免れる気がするのだが……。
4代目プリウスのセンターコンソール

驚愕したのは洗面台みたいなセンターコンソール。4代目プリウスはTOTOから部品供給を受けているのか?と、世界的ブーイングを食らいそうだ

【結論】 とは言うものの、「信じて進めばいつか道は開ける」という思いも抱きます。プリウスがひたすら節約道を歩んでいるうちに、ガラパゴス転じて世界制覇が実現するかもしれない。信じる者は救われる!といいな
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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