ピース又吉CMで話題の「ドミネーションズ」から見えるスマホゲーム課金事情【コラムニスト木村和久】
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その107 ―
最近フェイスブックなどで、ゲームの紹介が続々アップされ、ちょっと困惑しております。たぶん年齢や嗜好のマーケットをしているから、オヤジ向けの戦略・戦争系のシミュレーションゲームが多いのでしょう。でも何ゆえ戦略シミュレーションが、オヤジにモテはやされるのか。今回はその謎を、課金に的を絞って話を進めます。
昨年の暮れからスマホゲームの主戦場を「ゲームオブウォー」から「ドミネーションズ」に変えて、すこぶる楽しいゲーム生活を送っております。「ドミネーションズ」は、ピースの又吉・綾部のCMが流れる前からやっており、ヒットゲームを見つける嗅覚は、そこそこあるなと自分で思いました。
2年越しで、今も細々とやっている戦争シミュレーションの「ゲームオブウォー」ですが、この課金システムは異常でした。もちろん無課金でもできますが、強くなりたいと思うと、ついお金を払ってしまう。ゲームに乗せられて、1年半で10万円ぐらい払ったでしょうか。それで強くなったかと思いきや、相撲で言うと前頭筆頭ぐらいですか。上には上がおり、スーパーサイヤ人クラスがごろごろいます。10万円も払って強くなれないゲームってどうなのと、憤りを感じます。
それでどうしようか悩んでいるときに「ドミネーションズ~文明創造~」に出会ったわけです。ふたつのゲームは、戦略シミュレーション系といわれているもので、20年前ぐらいのPCゲーム「エージオブエンパイア」あたりが、源流のようです。
ただ決定的に違うのは、ドミネーションズの方が、お金がかからない。最初に開始のご祝儀として1200円を課金したけど、あとは無課金ですこぶる、順調にゲームが進行しています。もちろん成長の万能アイテム「クラウン」を、1万円程度で売ってますが、それを必要としなくても、充分戦争で勝利して、次のステージへ進めます。
スマホゲームは、基本課金は戻りません。ゲームをリタイヤした段階で、課金が水の泡として消える。だから悔しいので、辞めれない。ただ同じ課金でも、すでに家庭用ゲーム機の移植版みたいなゲームには、お金を払う気はしません。有名なロールプレイングゲームや、アクションゲームでも課金がありますが、大いに疑問です。以前は、同じゲームを6000~7000円程度で出来たのに、なんで高額な課金をしなきゃならないのと思うでしょ。しかも、ゲーム展開を知っているから、ここを凌げば楽になるって分かるし。
要するに、人間は「価値観が分からない、得体の知れないものにお金を払う」んですな。そういう意味では、新しいゲームじゃないと、課金営業はやりづらいのです。
課金で一番お金を払うのは、子供ではなくて、お金を持っている社会人です。ずばりオヤジ世代と言われてます。だから「ゲームオブウォー」は、オヤジのユーザーが多い。チャットじゃ、キャバクラやゴルフ、高級外車などの話題が頻繁に出てますから。要するに「1000円課金の子供100万人と、10万円課金のおやじ1万人は、同じ売り上げ」になるのです。
つまり自動車業界で言われている「軽自動車100台売った利益と、スーパーカー1台売った利益が一緒の理論」が、スマホゲームにもあてはまるのです。
ゲーム屋さんは、結構シビアなマーケッティングをして、いかに課金させるか、手ぐすね引いて待っています。実はスマホゲームの対戦相手はユーザーではなく、ゲーム屋さんではないかと思ってます。
つまり無課金に近いものでゲームを楽しめたら、ユーザーの勝ち。大枚叩いてしまったら、ゲーム屋さんの勝ち。そう考えると「ゲームオブウォー」って、歌舞伎町のボッタくりキャバクラに近かったかも~。そして「ドミネーションズ」は、良心的な六本木のガールズバーって感じですかね。
■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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