更新日:2022年08月25日 09:25
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“プレ金”に便乗した風俗店が完敗だった理由【現場レポート】

 2月よりスタートした“プレミアムフライデー”。毎月、最終金曜日は早めに(15時が目安)仕事を切り上げて、早い時間から飲食や買い物などの消費活動を行ってもらおうという、政府による消費喚起の施策だ。初回の2月24日金曜日は、アメリカのブラックフライデーよろしく、飲食店やデパートなどでこれに合わせたセールが実施された。

風俗業界の“プレ金”は好況だったのか

 そして実は風俗業界においても、プレミアムフライデーに便乗してキャンペーンを行っていた店がちらほらあった。実際に15時に会社を出れた人が多かったかどうかはともかく、サラリーマンが早く会社を出たならば、当然そちらの業界にとってもかき入れ時となるわけで、それを見越したということなのだろう。  各店によるイベントの一例を挙げよう。 【プレミアムフライデーに便乗してキャンペーンを行った風俗店】 ・東京ピンサロ「A」…プレイ料金半額 ・埼玉ピンサロ「B」…指名料無料、2回転目半額 ・東京デリヘル「C」…15時~16時に入店した客に嬢のパンティプレゼント ・東京ソープランド「D」…缶ビール2本をプレゼント ※すべて、去る2月24日に実施されたもの  各店、バラエティに富んだキャンペーンが並んだ。これらのイベントにより風俗店側はメリットを得られたのか、直撃して結果を聞いてみた。

東京ピンサロA…15時~18時までプレイ料金半額

 潔く半額キャンペーンを行ったお店だが、店長さんの声は落ち込んでいた。 「もともと15時とかそこらへんの時間帯は、客が非常に少ないもの。だからこそ、半額にしてでも客を呼びたかったんですけどね。でも、キャンペーンを知ってやってきた客は正直ゼロでした」  なんと、まったく恩恵を受けられなかったという。いったいどこがダメだったのだろうか。 「ウチは駅から離れてるので、そもそもフラっと入るような客はあまり多くないんです。プレミアムフライデーでは駅周辺の飲み屋とか、風俗店は繁盛してましたけど、ウチみたいな外れの方にある店まで足を伸ばそうと思うまではいかなかったんでしょうね。当然、そんなことは折り込み済みでしたが、それにしてもお客さんにはまったく響かなかった。完敗です」  こちらのお店もしばらくはプレミアムフライデーキャンペーンを行わないという。 「いちおう女の子を増員して臨んだのに、あの有様でしたから。今後はプレミアムフライデーにとらわれず、日々キャンペーンを行うことで固定客を増やしていくつもりです」

埼玉ピンサロB…指名料無料、2回転目半額

 こちらのお店は本来1000円の指名料をカットし、さらにプラス2000円の2回転目を半額にするなど、なかなかに熱いイベントを打った。結果はどうだったのか? 「客入りは上々でした。通常の金曜日に比べて1.5倍程度は増えたんじゃないかな。だけど想定していた客の増員にはちょっと足りなかったというか…。客単価が下がる分、収支的にはさほど変わらなかったですね。まあお店の認知度は上がったんですけど」(店長)  客が増えても単価が下がっているため、売上は通常とほぼトントンだったのとこと。また、急に決まったイベントだったこともあり、ひとつの反省点が浮かび上がったという。 「例えば入口で『プレミアム』とキーワードを言ってくれたお客さんは指名料無料みたいに、縛りを作れば良かったなと思ってます。プレミアムフライデーのことを知らずにやってきたお客さんまでも割引してしまったので、それが痛かったですね。なにしろ急ピッチで実施したのでそこまで考えてなかったんです」  たまたまやってきたお客さんにまでサービスしてしまったのだとか。風俗店は「ホームページを見たと言ったら指名料半額」のように、情報リテラシーの高い客に厚いサービスをすることがある業態のため、ウチもそれに習えば良かった、と嘆く店長。  ちなみに今後もキャンペーンは行うが、あまりにそれ目的の客が増えても困ってしまうため、店名などは伏せてくれとのことだ。
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客に嬢のパンティプレゼントも
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