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元ジャパネットたかた名物社長が明かす「V・ファーレン長崎、奇跡のJ1昇格」の舞台裏

 いよいよ今年もJリーグが23日に開幕する。そのなかである意味、選手よりも注目される存在が今季からJ1に昇格したV・ファーレン長崎の髙田明社長(69)だ。甲高い声でお馴染み、あの「ジャパネットたかた」の名物社長だった彼が経営危機に瀕するチームを救うべく新社長に就任したのが’17年3月。そこからいかにして、奇跡的なV字回復を成し遂げたのか。元トップセールスマンの新たなる挑戦に迫るべく、長崎に飛んだ――

V・ファーレン長崎 髙田明社長

単なる儲け目的だったらサッカービジネスはやらない


――そもそもなぜ、クラブの社長に就任することになったのですか?

髙田:私は3年前にジャパネットホールディングスから離れていますが、私の現役当時からジャパネットはV・ファーレンのメインスポンサーをしていたんですよ。私もJ2の試合をよく観に行っていました。そんななかでクラブの経営危機を知り、息子であるジャパネットの現社長が支援を表明してくれました。やるならスピーディに、ということで、即座にジャパネットが全株を取得して100%子会社にしました。社長がいないので、私にやってくれないかと指名を受けたわけです。

――クラブを立て直したいと考えたのはなぜですか?

髙田:V・ファーレンは十数年努力を重ねてきて、その結果、倒産寸前となった。でもクラブがなくなってしまっては、長崎にとって大きな損失です。子供たちの夢をつぶすだけでなく、スポーツを通しての地方創生の機会を失うわけですから。

――前経営陣との関係はどうだったのですか?

髙田:クラブを引き受けたときに赤字が相当あることはわかっていたのですが、それがいざフタを開けてみると、収入と支出といった基本的な部分ができていなかったんです。なので、とにかく現状を把握することから始めました。ゼロからどころか、マイナスからのスタートでした。まだすべてを把握できていませんし、これは今年一年かけてさらに改善していくテーマです。

――髙田さんがクラブを立て直すために行ったことはなんですか。

髙田:企業再生を念頭において、収入・支出を改善すること。それと同時にサッカークラブですから、「試合に勝つこと」ですよね。不安定な生活では選手もサッカーに集中できません。息子が指揮を執るジャパネットホールディングスを頼り、およそ10億円ほどのお金を使って、金銭面の不安を取り除きました。まずはそこからすべきだと信じていましたから。

――そこからV・ファーレン長崎の奇跡がスタートしたんですね。

髙田:私自身もトップセールスとして、スポンサー集めに走りました。選手がある種の雑音に惑わされない環境をつくるためです。もともと、V・ファーレンは10年以上の歴史を持ち、力のあるチームだった。雑音を振り切ることでその力を発揮できるようになったということだと思います。

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野球と比べると圧倒的に根付いていない

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