激安中古ラテン車にとって鬼門の夏。たいていの故障やトラブルは自然治癒でどうにか乗り切ってきた我らが激安中古ラテン車同好会に、過去最大級の激震が走りました。激安で極楽を味わえるラテン車ですが、見切り時を間違えると無間地獄に落ちるだけ。いくら激安だからといって、中古車情報サイトで一番安いクルマはダメってことを学びました。涙
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
地獄に落ちる前に引き際が肝要!! 激安中古ラテン車の見切り時を考える
激安中古ラテン車同好会に激震が走った!
まだ購入から1年もたっていない安ド二等兵のフィアット・ムルティプラが、名誉の退役を行うことになったのだ。
担当K:安ドさんのムルティプラ、回復不能なんですか!?
安ド:ええ。一度オーバーヒートしまして、冷却水のホースが破けてたってことで修理したんですけど治らず、再度入庫したらエンジン本体の損傷の疑いが濃厚。修理代約40万円と出ました。
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安ド二等兵は、家族3人並んで前席に座りたいがためムルティプラを購入。しかし夏の日差しと暑さに耐えられず家族は前席に座ってくれず。3人並んで座れないなら、このクルマにした意味がないと別れを決意
MJ:恐らくヘッドガスケットのピンホールだろう。たった一度のオーバーヒートでそこまで行くとは無念だな。
担当K:僕も昔アウディがオーバーヒートして、もろもろ修理代70万円って言われて、捨てたことがあります!
MJ:オレのアルファ155は、電動ファンの接触不良で首都高のトンネル内でオーバーヒートしたが、クルマを止めて冷めるのを待ち、ちょっと冷えたところでエンジン再始動。最寄りのランプでダッシュで降りて駐車場へ入れ葬式に参列。タクシーで戻ったらウソのように治っていたことがある。
安ド:殿がよく言うラテン車は自然治癒するというヤツですね!
MJ:うむ。接触不良レベルは自然治癒するのだが、さすがにエンジン本体の損傷は自然治癒せぬな……。
担当K:ムルティ、いくらでしたっけ?
安ド:車両本体44万円でした!
MJ:44万円のクルマに40万円かけるなら、他のクルマを買ったほうがいい。それが激安中古車の退役の潮時だな。
安ド:でもまだ走れることは走れるんですよ。冷却水を継ぎ足し続ければ(笑)。
MJ:漏れは少しずつなのだな。しかし近いうち、オイルに水が混ざったりして息絶えるだろう。
安ド:ガーン。そう言えば燃費は3割くらい悪化しました!
MJ:滅びの前兆よのう……。
冷却水を継ぎ足せば走れるが、いずれオイルに水が…
安ド:あと、以前からエアコンの効きが悪くて、家族からは大ブーイングが出てました。
MJ:あれはダメだ。以前から「これでは夏はもたない」と思っていた。
安ド:真夏の昼間じゃなければ冷えるんですけどねー。ムルティプラってガラス面積が広いじゃないですか。真夏の昼間は陽射しに負けちゃうんですよ!