更新日:2022年11月20日 09:58
カーライフ

過渡期のEVは「待ち」が正解。航続距離ほか大マスコミや世間が誤解しているEVの真実

新型リーフ 世界では、最近ガソリン車やディーゼル車から電気自動車(EV)にシフトする流れが加速中。特に熱心なのが欧州と中国で、例えばノルウェーは、2025年までにすべてのクルマをEVにすると意気込み税金を大幅に免除。高速道路無料などの優遇策を打ち出しているそうです。だからといって「我々もEVを買うべきだ!」となるのは、ちょっと違うようで…… MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

予定されていたメディア向け試乗会は中止に

 日産の国内販売にとって、今回の無資格検査問題の発覚は、最悪のタイミングでございました。  日産が「無資格者による完成検査があった」と発表したのは9月29日。新型リーフの発売は10月2日。間に土日が入っていたので、実質的には発売前日でした。タハ~。  直後に予定されていたメディア向け試乗会は、「広報車が無資格検査車でした」ということで中止。日本カー・オブ・ザ・イヤーのエントリーも辞退。ディーラーでなら試乗できるかな?と思って行ってみたけど、そっちも展示のみでした。 新型リーフ 10月の日産の国内販売台数は半減。それも登録の大半が三菱自動車製の軽。新型リーフの納車も延期となってしまったのであります。  出荷停止は11月7日に解除され、新型リーフの納車も始まっておりますが、出鼻をくじかれたとはまさにこのことでございますね。ちなみに広報車の検査やり直しが完了し、私どもが新型リーフに試乗できたのは、10月16日のことでした。  乗った感想は、よかったです。というかリーフの走りは先代からよかったのですが、新型はさらに少し加速がよくなり、アクセルを戻したときの回生ブレーキの効きも強くなって、街中ならほとんどブレーキを踏まずに、アクセル操作だけで走れるようになっておりました。  しかしまあ、そのあたりは正常進化と申しますか大差ないと言えなくもなし。EVにとって最大の問題は航続距離ですから。そちらのほうは、これまでの280kmから400kmに向上したとのことであります。
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ほんとに400km走れるわけじゃない
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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