3年間で500記事を書き散らしたブロガー“勝手につくば大使”の苦悩――「やめちまえ!」と言われてもつくばが好きだから…
茨城限定の有名ブロガーとして以前ご紹介した「勝手につくば大使」こと小村政文氏。前回は、つくばを愛してやまない大使の活動内容に追った。全国的には無名の大使であるが、その真っ直ぐすぎる姿勢がこれまた一部ではちょっぴり話題となった。
茨城県つくば市の飲食店や施設を紹介するブログを開始してから3年間で500記事以上を執筆している大使だが、「楽しいことばかりではない」という。つくばに命を捧げる男が思わず顔をゆがませた事件とは?
つくば市の公認を受けることなく、勝手に大使活動を行っている「勝手につくば大使」。彼の取材方法は、事前アポイントなどは取らずに直撃取材が基本。「なんだか怪しいので」と冷静に断られたり、「なんだその髪型は。ふざけているのか?」と追い返されたりすることも珍しくない。成功率としては40%ほどだという(アポなしでは当然だが……)。
そのなかでも特に強烈だったのが、ある日訪れた喫茶店だった。
「いつものように自作のチラシを渡して取材のお願いをしたんですよね。『いま忙しいからその辺に座っといて』と言われたので20分以上待っていました。これは脈アリかなと思っていたら、『何しに来たの? チラシ見たけどクソつまんねえな。やめちまえ』と言われたんですよ」
お店を広めたいというよりも、あくまでもつくばの魅力を広めたいという大使。無理にでも取材したいというわけではないので、喫茶店を出ようとすると……。
「まだまだだ。いいから座れよ」
店主に引き留められ、説教が始まったそうだ。さらに店主は、渾身のつくば豆知識をクイズ形式で出題し始めた。あまりにもマニアックな問題なので答えられずにいると、「何も知らねえくせによくこんなことできるよな!」とますますヒートアップ。
なんと、説教は3時間にも及んだという。当時のチラシのデザイン(小学生が鉛筆で書いたみたい)もどうかと思うが、ちょっとキツ過ぎる。
雑誌やラジオや新聞など、メディアに取り上げられることが増えた大使。心から応援してくれる媒体もあるが、明らかに見下されることもあるそうだ。ノーギャラなうえ、交通費は自腹という条件で向かった現場でのことだ。
「大使を取材したいとのことで呼ばれたのですが、相手の中年女性がいきなり収益の話ばかりしてくるんです。いまは収入になっていないけど、大使だけで食っていこうと思っていますと胸を張って言ったのですが……」
担当者の中年女性がこう返す。
「ふ~ん、無理ね。あなたこの活動はお金にならないよ。すぐにやめたほうがいい。公務員にでもなって趣味でやりなさい」
およそ依頼者とは思えないような態度。大使は完全に心を閉ざし、取材もベタ~な話だけであっさりと終わってしまったそうだ。なぜ自分が呼ばれたのか、いまでもわからないという。
取材先の喫茶店で「やめちまえ!」と3時間の説教
メディアの取材でも言われた「やめちまえ」
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