全国から神童が集まる東京大学は、あらゆる学問で日本をリードする“最高学府”である。彼らの頭脳が投資というマネーゲームに向き合ったとき、いったいどんなパフォーマンスを発揮するのか。その答えを探りに、SPA!取材班は本郷キャンパスに何度も足を運び、取材を行った。株、為替、仮想通貨。あらゆるジャンルの東大トレーダーの肉声をお届けする。
東大生精鋭トレーダー集団「CoinOtaku」は仮想通貨ニュースメディアを運営する。熱気溢れるオフィスには大量のカップ麺や簡易ベッドが常備されており、サークルの部室のような雰囲気が。そんな大学生らしさも垣間見えた。https://coinotaku.com/
仮想通貨…30人の東大生が各自の強みを発揮する精鋭トレーダー集団
東大の“お膝元”である本郷キャンパスからほど近いオフィスビルの一室を、彼らは根城としていた。チャートとにらめっこする人、複雑なコードを一心不乱に打ち込む人、床で眠りこける人――異彩を放つ集団の正体は、株式会社CoinOtaku(コインオタク)。
30人を超える現役東大生を擁する、新進気鋭の仮想通貨メディアだ。
文学部に在籍する傍ら、同社の創設者である下山明彦氏が語る。
「東大生を中心に集まったメンバーが仮想通貨について分析し、さまざまな角度からマーケットを検証、有料記事を配信することでマネタイズしている法人企業です。仮想通貨をテーマにしたのは、
世の中に情報商材まがいの詐欺サイトが多すぎて、未来ある仮想通貨までうさんくさいものと思われてしまうと思ったから。もちろん、投資対象としても魅力を感じてます。仮想通貨は株のように企業専属のアナリストが存在しないため、勝負できる余地が大きい。僕自身、仮想通貨に惚れ込んでいて、いつでも研究できるよう、ここに住んでいるくらい(笑)」
CoinOtakuには多彩なメンバーが集まり、下山氏もその例外ではない。
Bloombergの投資コンテストではパフォーマンスで1位を獲得するなど、輝かしい実績を持つ。
「最初は友人と2人で始めたCoinOtakuでしたが、地道な活動を続けた結果、どんどん仲間は増えていき、
“東大で仮想通貨団体と言えばCoinOtaku”と呼ばれるほどになりました。社員には理科三類はもちろん、理学部情報学科の首席や、
センター試験の点数が日本一だったという人もいます。メンバー各自が強みを生かしながら、日夜、仮想通貨の研究に没頭しています」
東大農学部の永峰氏は人事、テクニカル、ファンダメンタルの3業務を担当している
そんな彼らが仮想通貨マーケットを攻略するうえで何より意識しているのは、
“投資はゼロサムゲーム”という現実だ。
「投資の世界は誰かが儲かれば必ず誰かが損をするようにできており、これをゼロサムゲームと言います。
例えば1億円勝った人がいれば、その陰には10万円負けた人が1000人いることになる。僕はこの1000人がトレードについて無知だから負けたとは思っていません。知識はある程度皆が持っているという前提に立つと、考えなければならないのは、
“1億円勝てた人がどういうトレードをしたか”ということと、
“負けた人たちはどういうトレードをしたか”ということ。ただ漠然と投資を学ぶより、この2点を突き詰めると、効率的に勝つ可能性を高めることができると考えます」