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センバツ高校野球、優勝予想5チームを分析。影のV本命も…

 3月23日に開幕した2019年・春の選抜高校野球。第91回を迎える今大会は、スポーツ新聞各紙による事前の戦力比較もかなり割れており、絶対的な候補は不在だ。初出場の8校を含め、どこが優勝してもおかしくない、まさに“群雄割拠”の戦国大会の様相を呈している。 甲子園 しかも初戦から星稜(石川)と履正社(大阪)という優勝候補同士の対決が実現し、巷ではこの試合の勝者が準決勝、そして決勝戦に進出すると見る向きもあるが、果たしてそうなるのか……? ということで、ここではこの両校以外で頂点に輝く可能性のある5チームを検証してみたい。

横浜(神奈川):エース及川を中心に6度目の甲子園V狙える戦力

 投手陣の中心はプロ注目の最速153キロ左腕・及川雅貴。だが、この及川、調子の波に問題がある。“無双”状態のときとバッティングピッチャー状態のときとの差が激しいのだ。  それでも及川をカバーする2番手以下の投手陣が充実。制球力の高い背番号10の木下幹也、背番号11の2年生大型左腕・松本隆之介、そして秘密兵器として右アンダースローの背番号18・黒須大誠が控えている。1試合の平均失策0.63と守備陣も堅い。  一方の攻撃陣も4番・主将の内海貴斗が勝負強い打撃で打線を引っ張り、チーム打率は3割5分5厘と出場校中5位。平均得点は7.63で8位という好成績。その他にプロのスカウトが注目する2年生ショートの津田啓史、外野の要に成長した大手晴らの下級生も含め、全員がハイレベル。春夏通算6度目の頂点が十分狙える戦力が整った。

龍谷大平安(京都府):左腕コンビにつなぐ打線。穴のないチームで頂点狙う

 昨秋の京都府大会は3位に終わったものの、その直後の近畿大会では見事に優勝を果たした。その原動力となったのが左腕コンビの豊田祐輔と野沢秀伍。変化球を有効に使った投球術が身上の豊田は技巧派。かたや野沢は独特の投球フォームから繰り出す直球は130台後半とさほど早くはないが、相手打者を詰まらせるほどのキレ味を持っている。  打撃陣は大砲が不在だが、1番・中島大輔と2番・北村凉の俊足コンビに選球眼の良い3番・多田龍平、そして秋の公式戦打率4割4分7厘に13打点とどちらもチームトップの4番・水谷祥平……とつながる打線でしぶとく得点を重ねていく。公式戦打率4割、9打点でチーム屈指の飛距離を誇る三尾健太郎が6番に座っているのも心強い。投打のバランスがよく穴が少ないチーム力で頂点を狙う。

明石商(兵庫):昨夏の甲子園のベンチ入りメンバーが充実

 昨秋の近畿大会準優勝校。公立校ながら強豪私立並みの戦力を誇る。投手陣は昨夏の甲子園で1年生にして最速140キロ台の速球をマークした右の本格派・中森俊介と、昨秋の公式戦での防御率が1.58と抜群の安定感を誇るスクリークォーター右腕・宮口大輝の2枚看板。  打撃陣では1年生でトップバッターを任されている来田涼斗を中心にしたソツのない攻めが特徴。実は明石商は昨夏の甲子園ベンチ入りメンバー8人が残っており、そのときよりも投攻守すべてにおいてレベルアップ。その実力は折り紙つきである。
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あと2校は…影の本命も
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