(芳村真理編)
アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚以上。さらに雑誌やポスター、グッズ、珍品なども所有し(現在も収集中)、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファンのクリス松村が、秘蔵のコレクションからとっておきの1枚を披露!
音楽とレコードをこよなく愛するクリス松村です。音楽が好きすぎて、『ミュージック・モア』という音楽番組でMCを務めさせていただいてます。そんな『ミュージック・モア』の令和2年最初のゲストは、芳村真理さん! 2019年に続いて2020年も年明け最初の放送に出演していただきました。
芳村真理さん
ヨーロッパで注目を集める今は亡き昭和の青春スターは誰?
今回、私が芳村真理さんのために持ってきたお宝ですが、まずは蓄音機時代の超貴重なSPレコード(※1)です。SPレコードは衝撃に弱くて割れやすいんですが、芳村さんに、ぜひ聴いてほしくて、自宅から持ってきました。
芳村さんに聞いてほしかった超貴重なSPレコードは……
そのレコードは、エディット・ピアフの『バラ色の人生(ラヴィアンローズ)』と、笠置シヅ子さんの『東京ブギウギ』。どちらもプチプチと雑音が入っていますが、その時代を思い出すようで、それもSPレコードならではの味わいです。
「あら~、私、ピアフ大好き。 私の青春そのものよ。笠置シヅ子さんは、あの美空ひばりさんが憧れた、戦後のブギの女王なんですよね。懐かしいわ」と芳村さん。
青春時代を懐かしんでいただきました
今回は、特別にもう1枚、お宝を持ってきました。それは江利チエミさん(※2)のLPレコードです。
「うわ~、江利チエミさんだ~。歌がうまかったのよねえ~」
このLPは、最近ヨーロッパで発売されたものなんです。実は今、ヨーロッパの人たちが江利チエミさんに注目しているんです。
ヨーロッパで注目される江利チエミさんのLPレコード
「えっ、そうなの?」
そのLPの原盤が、こちら! 1960年に発売された『チエミのムード民謡』です。
「クリスって、何でも持ってるのね!」
『チエミのムード民謡』
このジャケット写真、ちょっと笑えますよね。このLPから「おこさ節」(※3)をかけると……。
「へえ~、これ民謡なの? とってもモダン! チエミさんって民謡も歌っていたのね」
ヨーロッパの人たちが注目する江利チエミさんの歌の素晴らしさを、日本でも、見直すべきだと思うんです。
芳村真理さんが『夜のヒットスタジオ』の司会を1000回務められたように、私も1000回を目指して、この番組、頑張ります。芳村さんとの楽しいトークは、ぜひ1月11日放送の番組でご覧ください!
(※1)SPレコードは、60年代ごろまで生産されていた、毎分78回転で再生されるレコード(LPレコードは毎分33と3分の1回転、EPレコードは毎分45回転)。海外では、回転速度から“78rpm record” と呼ばれることが多い。「SP」はstandard playing(スタンダード・プレイング)の略で、LPレコードと区別するためにできた名称。LP・EPレコードとは録音の方式も異なり、そのため音の雰囲気も全く違うものになる。割れやすい素材で、カビを防ぐことも難しいことからも、現物は大変貴重なものとなっている。
(※2)江利チエミさんは、12歳から進駐軍のキャンプを回り、1952年、デビュー曲『テネシー・ワルツ』が大ヒット。ジャズが全国へ広がるきっかけとなった。同時期にデビューした美空ひばり、雪村いづみらと“3人娘”の一人として大ブームを巻き起こす。
(※3)民謡「おこさ節」は発祥が秋田県だといわれている戦後の流行歌。昭和22~23年頃から酒宴の席などで歌われ始め、秋田から全国へ広まった。江利チエミのほか、ドリフターズ、三橋美智也、寺内タケシもカバー。
タレント、音“楽”家(おんらくか)。
邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『
ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。