(日髙のり子編)
アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚以上。さらに雑誌やポスター、グッズ、珍品なども所有し(現在も収集中)、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファンのクリス松村が、秘蔵のコレクションからとっておきの1枚を披露!
人気声優の日髙のり子さんは、子どものころ劇団に入っていて、女優志望だったそうです。そんな子役時代を経て1980年からアイドル、その後、テレビアニメ『タッチ』の浅倉南役で大ブレイク!
日髙のり子さんの“セカンドシングル”『もう一度・ブラックコーヒー』
そんな彼女のために私のレコードコレクションから探し出したのは、日髙のり子さんが本名だった「いとうのりこ」時代のレコード『ふた子のモンチッチのうた』(1980年)です。
「えーっ! なんでこんなレコードを、クリスさんお持ちなんですかあ? 私が劇団にいたとき、CBSソニーの方が、モンチッチ(※1)の歌を出したいと、私を指名していただいたんです。『なんで私に?』と聞いたら、劇団のタレント名鑑の写真を見て、顔がモンチッチに似てたから……、ですって(笑)。それが歌手になるきっかけだったんです」
いとうのりこ時代のレコード『ふた子のモンチッチのうた』
その後、『初恋サンシャイン』(1980年)でアイドルデビューした日髙のり子さんですが、なぜか、セカンドシングルの『もう一度・ブラックコーヒー』がデビュー曲に思われています。この事情を伺うと……。
「『レッツゴーヤング』のサンデーズ(※2)のメンバーになってから出したシングル『もう一度・ブラックコーヒー』が、デビュー曲扱いになってしまったんです。『初恋サンシャイン』はほとんど宣伝されず、幻のデビュー曲になってしまった可哀想なシングルなんですよ」
いまだから笑えるジャケット写真の悲しげな顔のワケは?
気になったのが「もう一度・ブラックコーヒー」のジャケット写真なんです。男の子みたいにベリーショートなのは、なぜなんですか?
悲しげな顔の理由は……
「当時、聖子ちゃんカットが大流行して、どのアイドルも聖子ちゃんカットだったんです。同じ髪型だと目立たないからと、切らされたんです。ジャケット写真の撮影当日にショートカットにしたから、悲しげな顔になっているんですよ(笑)」
そんな事情も合わせて、『もう一度・ブラックコーヒー』を、ぜひ番組でお聴きください。
さて、「クリスのお宝箱」から出てきたお宝は、人気声優5人衆によるバンド「スラップスティック」(※3)のアルバムです。メンバーは、野島昭生さん、曽我部和行さん、三ツ矢雄二さん、古川登志夫さん、古谷徹さんといった、いまや声優界のレジェンド!
セカンドアルバム『スラップスティックに気をつけろ』(1979年発売)の4曲目、『海辺のジュリエット』を作曲したのは、なんと、大瀧詠一さんなんです。
「え~~! ウソ~っ! すごい、そんな~」と、南ちゃんの声で驚く日髙のり子さん!
人気声優5人で結成されたスラップスティック
なぜ、この曲を選んだかというと、大瀧詠一さんのナイアガラ・サウンドと、芝居仕立てのセリフに注目してほしかったから。どんな歌、どんな台詞かは、放送でお披露目しています。
大瀧詠一さんの隠れた名曲が聴けるアルバム『スラップスティックに気をつけろ』は、初回盤だけこんなポスターが付いているんですよ。
初回盤限定ポスター
「うわ~、みんな若い~、それに、かっこつけてる~! この一番下は、三ツ矢さんだ~! 笑える~」
番組ではタッチの南ちゃん、誕生秘話もうかがいました! 12月7日放送の番組で、ぜひご覧ください!
番組は12月7日放送です!
(※1)モンチッチは、1974年に発売されたお猿さんの人形。体はぬいぐるみ、顔と手足はソフビということから人気を呼び、世界中でモンチッチは人気者になりました
(※2)サンデーズは、70~80年代に放送されたNHKの歌番組『レッツゴーヤング』にレギュラー出演していた新人アイドルを中心とした男女混合のグループです
(※3)スラップスティックは、1977年~1986年に活動した人気声優5人によって結成されたバンド 。メンバーは野島昭生(『宝島』のグレイ)、曽我部和行(『野球狂の詩』の火浦健)、古川登志夫(『うる星やつら』の諸星あたる)、古谷徹(『巨人の星』の星飛雄馬)、三ツ矢雄二(『タッチ』の上杉達也)
タレント、音“楽”家(おんらくか)。
邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『
ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。