更新日:2023年05月24日 14:55
カーライフ

時代の流れに逆らうマツダのこだわり。電動化や自動化がすべてじゃない!

 ’20年、創立100周年を迎えたマツダ自動車は、カーマニア的にはロータリーエンジンですが、近年はクリーンディーゼルで注目の的に。CX-5から始まったマツダの快進撃は凄まじかったです。そんなマツダが今挑戦しているのが、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのいいところどりした新しい内燃機関(エンジン)。マツダは我が道を黙々と走っております!
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MAZDA CX-30

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

時代に逆行しても内燃機関にこだわる“孤高のマツダ魂”を支持します!

 クルマは、いわゆる「CASE」の方向に向かっていると、規定事実のように語られている。CASEとは、コネクティッド化(C)、自動運転化(A)、シェア化(S)、電動化(E)のそれぞれの頭文字。クルマが、シェア電動アシスト自転車みたいになるってことだろうか。  しかし個人的には、その4つとも、コレッポッチも待ち望んでいない。つながれたくないし、自動運転は渋滞中のみで十分だし(すでに一部モデルで実現)、シェア化しちゃったらクルマがいじれなくなるし、電動化なんざ日本じゃ何のメリットもない。全部希望しておりません!  でも、これは逆らえない時代の流れ。乗り遅れたらおしまいだと、各メーカーが必死に開発を進めている。  そんななかマツダは、かたくなに内燃機関の進化にこだわっている。その一つのステップが、ガソリン圧縮着火を実現したスカイアクティブXエンジン。それを最初に搭載したのがマツダ3で、2番目がこのCX-30だ。
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CX-30はガソリンエンジン(239万2500円~)、クリーンディーゼルエンジン(288万7500円~)、スカイアクティブXエンジン(329万4500円~)それぞれに2WDと4WDをラインナップ。クリーンディーゼルは6ATのみだが、ほかの2つは6MTの設定もあり。MTでもATでも価格は一緒です

 マツダが主張しているのは、「内燃機関にはまだ改善の余地がある」ということ。内燃機関の現状のエネルギー効率は40%くらいなので、伸びしろがたっぷりある。一方、電気自動車はすでに80%くらいで、伸びしろがない。  それでいて、日本みたいに電気の8割を化石燃料で作っている国の場合、トータルのエネルギー効率(≒二酸化炭素排出量)は、電気自動車より内燃機関を併用したハイブリッドカーのほうが上。ガソリン車やディーゼル車ですら、2~3割の差で追っている。なら当面は、内燃機関の燃費を良くしたほうがよくね?ということだ。  そういう考え方のもと、マツダ技術陣が総力を挙げて開発したのがスカイアクティブXエンジンなわけですが、乗った感じはどうだったか。
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これがマツダの生きる道
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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