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首都高より阪神高速の設計が優れているのはなぜ?

 3月22日、首都高横浜北西線が開通した。渋滞の激しい保土ヶ谷バイパスや、ミッシングリンクとなっている外環道東名―湾岸間を補完する重要路線だ。  他方、阪神高速でも、3月29日、大和川線が開通する。

3月29日に開通する阪神高速6号大和川線

 大和川線は、首都高で言えば中央環状品川線に相当する路線で、阪神高速第二環状の南側に当たる。大阪市はこれを「大阪都市再生環状道路」の一部と謳っている。

開通すると、奈良県内からの交通が集中する西名阪沿線地域と大阪・神戸の湾岸地域へのアクセスが向上すると試算されている(阪神高速道路HPより)

 残る北側は淀川左岸線(建設中)で、これが開通すると、開通ずみの近畿道(東側)/阪神高速湾岸線(西側)と合わせて、大阪都市再生環状道路が完成することになる。

6号大和川線は、4号湾岸線と14号松原線を東西に結ぶ大阪都市再生環状道路の一部となる道路(阪神高速道路HPより)

 と言ってもその完成は、東京における中央環状線や外環道ほどは待望されていない。なぜなら、阪神高速の渋滞量(渋滞距離×時間)は首都高の数分の1レベル。はるかにマシだからだ。

同じ環状線でも大きく違う首都高と阪神高速

 首都高の場合、中央環状線などの完成によって、渋滞量はピークだったバブル期に比べると3分の1程度にまで激減したが、もともと首都高ほどは渋滞が深刻ではなかった阪神高速では、「早く新規路線が完成してくれー!」という渇望感はそれほど高くない。  なぜ阪神高速は渋滞が少ないのか?  人口規模の違いが最大の理由ではあるが、阪神高速の場合、「環状線の設計が優れていたから」という点は見逃せない。  阪神高速の環状線は、時計回りの一方通行で、最大4車線ある。他方、首都高の都心環状線は内外両回りの2車線+2車線が大部分。この基本構造の差は大きい。

片側最大4車線の阪神高速

 合計車線数が4で同じなら、交通容量は同じはずだが、一方通行のほうが合流か所の総計が半分ですむし、JCTで2車線分流すれば2車線減らし、その後の合流で2車線増やすといった、より合理的な分合流設計が可能。それだけ合流による減速効果を減らすことができるので、流れがスムーズになる。  都市高速の環状線は一方通行のほうが合理的なので、名古屋高速でも採用されている。

なぜ、首都高は一方通行にできなかったのか?

 では、なぜ首都高では都心環状線を一方通行にできなかったのかというと、距離が1周約15キkmあり、1周約10kmの阪神高速に比べて長く、しかも中央部に環状線をショートカットする路線が設けられなかったため(阪神高速環状線にはショートカット路が2本ある)、反時計回り側にあるインターで降りたい場合、1周近く遠回りする必要があることが、主な原因と言われている。  首都高が長年大渋滞していたのは、都心環状線を一方通行にできなかったことも、実はかなり関係しているのだ。

浜崎橋付近の首都高都心環状線(向かって右側のカーブ部)。片側2 車線に2車線が合流する不合理な設計だったため、半世紀以上激しい渋滞が続いた(写真は2007年撮影)

 個人的には、霞が関付近と土橋付近を結ぶ短絡路を設けた8の字型一方通行化を構想し、首都高速道路公団(当時)に提出したことがあるくらいだから、阪神高速の構造は、首都高研究家として憧れの対象だ。  と言いつつ、この阪神高速環状線、実はじっくり走ったことが一度もなかった。そこで今回、いまさらながら4周ほどグルグル回ってみた。
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高速道路研究家が阪神高速を走ってみたら
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