更新日:2023年05月24日 14:55
仕事

職場での「いじめ」に悩む女性。現実的な解決法は?

 “外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
いじめ

※写真はイメージ

職場で事務職の人にいじめられています……

★相談者★ 矢車菊4477(ペンネーム) 薬剤師 女性 年齢不明  2人の娘がいます。優しい夫もいて私生活はとても日々穏やかに過ごしております。薬剤師として働き始めて10年ほどになります。悩みは、職場での人間関係です。医療事務の人に、どの薬局で働いてもいじめられたり嫌みを言われます。服装のことで難癖をつけられたり、ランチの際にお菓子を食べると常識がないと睨みつけられる。  初対面で、「薬剤師は神ですからぁ」と言われ目も合わせてくれないこともありました。あとは「あんたなんて女らしくない」と突然の人格否定など。さすがに私も怒って言い返し、狭い職場の雰囲気を悪くしてしまったこともあります。おそらく待遇が全然違うことが原因の一つかと思います。これから薬剤師として働く上で医療事務の方とどうお付き合いすればよいでしょうか? ◆佐藤優の回答  薬剤師は高度な専門職です。給与も高いですし、社会的に尊敬されている職業です。それ故に、薬局で勤務すると、事務職の人たちのやきもちを買いやすいです。面倒なのは、やきもちを焼いている人が、自覚を持っていないことです。こういうときは、原点に立ち返って考えることが重要です。仕事のためにこの場にいるのだという現実を見据えることです。そこから、合理的に考えると以下の結論を導き出すことができます。 =====  仕事での目的を達成するのに、相手とどういう関係を持ち、どう協力し合うのが最も合理的か。それ以外の余計な関係性を付随させることは、ムダを生み出すもとになりかねません。  まず大前提は、良好な関係を築くこと。そして信頼関係を築くことです。余計な気を遣うこともなく、仕事がやりやすくなります。  よくないのは衝突することです。組織の中でぶつかってしまうと、なにかと仕事がやりにくくなります。(中略)良好な関係であればスッと物事が運ぶのに、関係性が悪くなると一気に環境が複雑化します。疑心暗鬼になり、同じフロアにいるだけで気になってしまう。この複雑化によって無駄な労力や仕事が飛躍的に増えるのです。  どんな相手であっても、まずは良好な関係を築くことが大切です。その上で信頼関係を構築できればさらに自分にとってプラスになります。  組織の中で生き残るには、「味方を増やし、敵を減らすこと」が重要です。敵を減らすためには、戦って排除するというやり方もありますが、それは先ほどのようにかえって事態を複雑化させるリスクが高い。(『メンタルの強化書』142~143頁) =====
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周囲との摩擦が極力起きないようにしていく
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

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