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妻が新型コロナに過剰で家にいたくない…男性32歳の悩み

 “外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

妻の過剰なコロナ対策に辟易している

除菌

※写真はイメージです

★相談者★ ザ・パンチ(ペンネーム) 会社員 男性 32歳  妻が新型コロナに過剰で辟易しています。外出するな、家に帰ったら風呂に入れ、服を洗え、靴は除菌スプレーしろ。発酵食品がコロナに効く(本当でしょうか?)と納豆や豆腐ばかりが食卓に並んで、在宅ワークの日は家で食事するのも嫌になります。  妻は派遣が休業になったようで、家でずっとテレビを見て過ごしているせいか、ぶくぶくと太ってきて圧迫感を感じています。コロナのうんちくばかりで、家にいる時間が増えたのに、家にいるのが嫌になってきます。私はいつまでこんな生活を我慢し続ければいいのでしょうか? ◆佐藤優の回答  マスメディアは、毎日、新型コロナウイルスに関する情報を大量に報道しています。また、インターネット空間でも真偽不明な情報が大量に流布されています。こうした情報の嵐が、奥さんの思考に強い影響を与えているのだと思います。特に派遣の仕事が入らなくなって奥さんが家で長時間、テレビを見るようになったことの影響が大きいと考えます。外出するな、家に帰ったら風呂に入れ、服を洗え、靴は除菌スプレーしろ、発酵食品が免疫力を強化するといった話は、情報番組などで繰り返し報道されています。  脅威に関する過剰な情報は人間の心理を不安定にするだけで、害が大きいです。こういう情報が入ってくるのを極力、遮断したほうがいいと思います。テレビのスイッチを切り、代わりにラジオを聞きましょう。テレビやインターネットよりもラジオの情報は質が高いです。私はテレビを一切見ません。ラジオは時々聞きますし、私自身も出演しています。  あなたの奥さんの発言をどう解釈するかについては、黒川伊保子氏の見解が参考になります。 =====  夫である人は、妻が何かを語り始めたら、彼女が今、心の文脈(共感とねぎらい)を欲しているのか、事実の文脈(合理的な正解)をほしがっているのか判断してほしい。わからなかったら、心の文脈だと思えばいい。妻の会話は十中八九それだし、もしも合理的な正解をほしがっていたとしても、その前段の共感とねぎらいに、女はけっして嫌な気分にはならないからだ。(『定年夫婦のトリセツ』33頁) =====
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合理的な正解よりも、共感とねぎらいを求めている
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

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