更新日:2023年05月24日 16:13
カーライフ

走りと燃費は東大王のヤリスハイブリッド。中古しか興味ない人間も欲しくなる理由は?

 週刊SPA!のクルマ連載でも一時、燃費競争に燃えたことがありました。燃費の良さ=絶対的な正義! 例えるなら、ブサイクでつまらない男でも、高学歴で一流企業に入って、いい給料もらっていればモテる! そういう考え方でした。が、いつの間にか、どのクルマもフツーに燃費が良くなってしまい、燃費競争に飽き飽き。しかし、久しぶりに燃費に燃えるクルマが登場しました!
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TOYOTA YARIS HYBRID

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

ヤリスハイブリッドはまるでモテない東大王なり! その理由は……

 ボンクラのみなさんこんにちは。みなさんと違って私は優等生だったので、テストでいい点を取るのがとても好きでした。  そのせいか、カーマニアになってからは、燃費がヤケに気になります。お金はたくさんあるのに、燃費が悪いとテストの点が悪かったみたいにガッカリするんです。  十数年前、初めてド中古の初代プリウスを買ったときは、子供のころの優等生気分が復活して、燃費に夢中になりました。頑張ればいい点が取れる! それってスバラシイ! サーキットでいいタイムを出してもお金がかかるだけだけど、プリウスでいい燃費を出すとお金が節約できる! まさにウィン・ウィン!  でも、そのうち飽きてしまいました。なぜって、燃費にも限界があるから! 初代プリウスの燃費は平均リッター17㎞くらいで、続いて買ったアクアはリッター20㎞くらいでした。たまに短距離でリッター30㎞超えるととってもうれしかったけど、それにも慣れ、いつのまにか低燃費不感症になってしまったのです。 「もう燃費は飽きた! そこそこでいい!」  そう思っていた私にも、新型ヤリスハイブリッドの燃費は衝撃でした。首都高をゆっくり流して出た燃費計の数値は、リッター38.8㎞! うおおおお、こんな燃費見たことねぇ! 偏差値で言えば90とかそんな感じ? 超気持ちいい~~! 条件次第ではリッター40㎞も超えるらしい! スゲ~~~~~!  しかも新型ヤリスハイブリッドは、加速もビックリするほどイイ! パワーモードにしてアクセルをちょい踏み込むと、モーターのトルクが炸裂して、豆鉄砲の豆みたいに加速する! 見た目も豆っぽいし、まさに自分が豆になった気分! 豆って超気持ちいい~~~~! いままでのトヨタのハイブリッドカーとはまるで違う~~~~!
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トヨタヤリスには、ガソリンモデル(1リッターと1.5リッター)とハイブリッドモデル(1.5リッターガソリンエンジン+モーター)があり、1リッターガソリンモデル以外には4WDも。ガソリンモデルは139万5000円~、ハイブリッドモデルは199万8000円~

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1.5リッターガソリンモデルには6MTモデルもあるヤリスですが、本命はやはりハイブリッドモデル。ディーラーで1リッターのガソリンモデルにも試乗しましたが、そのときの印象はイマイチ。今回ハイブリッドモデルに乗るまでは、ヤリスの印象はイマイチでした

 ポンコツアルファロメオに入れ揚げてる担当Kも、ヤリスハイブリッドには感動した様子でした。 「ぜんぜん期待してなかったけど、すっごくよかったです! 初めてハイブリッドカーが欲しくなりました! 首都高ならポルシェもアオれるんでは?と思ったぐらい速くて、コーナリングも気持ち良くて、燃費もイイ! ビックリです!」(担当K)  この加速でこの燃費。これがあればテスラはいらん! エネルギー効率的にも電気自動車を上回るはず。EV偏重の欧州の燃費規制なんざクソクラエ! 日本はヤリスハイブリッドと高効率石炭火力発電で我が道を往く! パリ協定も離脱! 鎖国します! そんな気分になってくる。
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でも、カタチがイヤ…
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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