ライフ

プロ奢ラレヤー×精神科医Sidow「気に食わない人を叩いても、幸福感は得られない」

プロ奢ラレヤー(左)とメンタルドクターSidow。ストレスマネジメントの達人2人がメンタルケアについて語った

 年始から世界を襲った新型コロナウィルスは、人々の心をも蝕んだ。コロナ禍による休業・倒産や外出自粛が相次ぎ、自殺者も急増。メンタルケアの重要性がひときわ求められる中、ストレスとは無縁で生きる「プロ奢ラレヤー」と、精神科医でユーチューバーのSidow氏が日常とSNSストレスの対処法について意見を交わした。

ニュースサイトのコメント欄は「デスノート」? プロ奢ラレヤーとメンタルドクターSidowが語る、ネットに蔓延するストレスの正体

プロ奢ラレヤー(以下、プロ奢) Sidowさんはユーチューバーもやってますよね。いまフォロワー何万人ぐらい? sidow YouTubeはもうすぐ登録者5.5万人ですね。 プロ奢 おー、すごい。いつ頃から始めたんですか? sidow 2年半ぐらい前ですね。投稿は週2、多くて週3ぐらいが限界ですが。 プロ奢 でもそれだけ回れば十分じゃないですか。人が増えるほどアンチも増えるし。僕なんかインタビューで「満員電車嫌いです」って言っただけで某ニュース配信サイトのコメント欄でめちゃくちゃ叩かれましたからね(笑) sidow え、それだけで? プロ奢 僕の書籍『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社)のまえがきを、そのまま文春オンラインで掲載したんですよ。そのなかに「毎日、満員電車で通勤なんてムリ」ってくだりがあったんですけど、「こんな奴に満員電車に乗る生き方を否定されたくない!」ってすごい怒られた。なんであのニュースサイトのコメント欄ってあんなストレスフルなんだろう?

「ニュースのコメント欄ってストレス溜まってる人の巣窟って感じですよね」(プロ奢ラレヤー)

sidow 論客ぶりたい人たちの集まりですからね。価値観を変えられないし、多様性を認めにくい人たち。 プロ奢 相当、日々にストレスかかってるんだろうな~。ただ嫌いって言っただけで誰かの生き方を否定してるわけじゃないのに。

僕に悪口をぶつけて、ストレス解消になればそれでいいけど

sidow 内容にもよるけど、アンチや炎上の大半は「嫉妬」が占めているなという気がします。精神医学的に自己不全感というんですが、なりたい自分になれない、やりたいことを達成できない自分にモヤモヤした状態。自己不全感が強いと、どこかにストレスのはけ口を求めてしまう。それがニュースのコメント欄だったり匿名掲示板だったり……。 プロ奢 へえ~~。自己不全感とやらは、コメント欄に悪口書くと治まるんですか? sidow 治まらないですね。 プロ奢 意味ないじゃん!(笑) sidow ネットで悪口を書く心理って結局自分を持ち上げることができないから、相手を下げるしかないってことだと思うんですよ。嫉妬は自分と近い存在、もしくは自分が本来であれば勝ってるような存在に対して抱くもの。プロ奢さんに嫉妬する人は「こんな若造が」「働いたこともないくせに」と思うから、つい何を言っても批判的に見てしまう。 プロ奢 自分をプラスに変えるのは難しいから、相手を叩くことで距離を縮めようとするのか。でも自己不全感が消えないならヤフコメに書くってマジで無意味じゃないですか。精神衛生上、どんな効果があるんすか? sidow 一時的な発散にはなりますよ。本来であれば自分が成長するしかないけど、それができない腹いせがアンチコメントや批判となって昇華されていくわけです。それでも現実が変わるわけじゃないから、ストレスが完全になくなることはないけど。ストレスホルモンが出続けることは体にも良い影響を与えません。糖尿病や心筋梗塞になりやすいというデータもあります。 プロ奢 へー、デスノートみたい。書けば書くほど死に近づいてくんだ。 sidow 人よりも自分自身の暮らしにもっと注目すれば、ストレスもいくらかマシになると思いますけどね。 プロ奢 まあ僕に悪口をぶつけて、その人がストレスとのバランスをとって生活できるんだったら、それでもいいか。一種の社会貢献っすね。アンチって集まると仲良しだし楽しそうですよねー。だから『そういう場』を作ることが大事なんだなって。まあ、そもそもその絆、誰がくれたの? 叩いてる対象だよね?って思うけど。 sidow みんなでひとつの共通敵を倒そう、っていうのは集団が一致団結するときの基本ですから。
次のページ
フォロワーの多さは幸福感に直結しない
1
2
本名、中島太一。23歳。「他人のカネで生きていく」をモットーにツイッターを介して出会ったさまざまな人に「奢られる」という活動をし、現在フォロワー約9.8万人。奢ってくれた人々との邂逅を綴った「奢ログ」を含む日々の考察を有料note「プロ奢ラレヤーのツイッターでは言えない話。」として配信中。著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社刊)、『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)。
嫌なこと、全部やめても生きられる

「逃げたら負け」と思っている人々へ。"目からウロコの意識低すぎ実践哲学"

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ