更新日:2020年12月22日 16:36
エンタメ

混沌の「M-1決勝」全記録。上沼恵美子とマヂカルラブリーの因縁、ついに決着【決勝ネタの全動画あり】

マヂカルラブリー

第16代「M-1」王者に輝いた「マヂカルラブリー」。3年越しのストーリーを最高の形で完結させた ©M-1グランプリ事務局

 決勝大会をレポートする前に敗者復活戦からふれたい。

実力者がしのぎを削った敗者復活戦

 今回は昨年のように天候が突然悪くなることはなかったが、屋外なので当然のように寒い。準決勝の出来がよかった「金属バット」はトップバッターで、ツッコミ担当友保君の口からは最初から「寒い」という言葉が出て、肩がずっと上がっていた。  こういう状況の中では、その状況を「忘れさせる」か「利用する」かしかない。「忘れさせた」のが「コウテイ」、利用したのが「インディアンス」だった。2組は爆笑を重ねた。 からし蓮根」「ぺこぱ」と昨年のファイナリストが強さを見せ、観客の緊張感も完全になくなり、後半へ折り返す。そこで最高の漫才を見せたのが「ゆにばーす」。しかし、結果は2位。昨年のファイナリスト「インディアンス」が勝ち上がった。  個人的には「ランジャタイ」「ニッポンの社長」のネタはインパクトがあり、印象に残った。「ランジャタイ」は司会の陣内智則氏との絡みも面白く、来年の活躍が楽しみになった。

ネタ開始まで1時間近くを要したいきなりの異常事態

 18時34分。「M-1グランプリ2020」決勝戦の放送が始まった。しかし、なかなかスタジオからの中継は始まらずVTR→CMが延々と繰り返される。これはサッカー中継やボクシング中継のように大会中にCMをあまり入れないための処置なのか? それとも時差スタートする地域が存在するからの処置なのか? もしくは裏番組『鬼滅の刃』対策なのか?  理由はわからないが30分近く、映像が繰り返されたあと、スタジオに司会の今田耕司氏と上戸彩さんが登場した。  ようやくファーストラウンドがスタート。上戸さんがトップバッターを決める笑神籤を引いた瞬間、驚きの笑みが出る。それは何が起こったか瞬時にわかる笑みだった。  トップバッターは「敗者復活組」。昨年から札が出た後に勝ち上がったコンビが発表されるシステムへと変更され、敗者復活戦からの勝ち上がりは興奮度がさらに上るように制度変更されていた。  昨年は3番手で引かれたが、今回はトップ。いきなりの波乱であり、興奮する展開なのだが、今回はファーストラウンド開始までかなり時間を要している。そこでトップが「敗者復活組」となり、別会場からの中継が入る。放送開始からトップバッターがネタを開始するまで1時間近く時間を要することとなったのだ。
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トップバッターが見せた確かな進化
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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