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「ボロボロのカラオケが僕たちのドンキだった」借金500万円男、ラジオ出演に何を思う

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteが人気を博したTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は33回。  今回は、ラジオの出演依頼が来たときのお話です。
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貧乏が高じて?

 貧乏が高じてラジオに出演した。  貧乏はどんな概念の「上下」でも「下」に位置するのが普通だから、「貧乏が高じて」という表現はこれが歴史上初めてかもしれない。  文化放送で19時から放送される「卒業アルバムに1人はいそうな人を探すラジオ」で、「親から縁を切られている人」として数分出演するということだった。さすがに電話でチョロっと話すだけなのでギャラは出ないが、代わりにYoutubeの宣伝などはしてもいいと言われていた。4ヶ月近く放置したままでもう広告収入が入ってきていない生き恥のようなホームビデオの宣伝。  たしかに知らない人が何人か見てくれたら数千円にはなるかもしれない。ギャンブルから身を引いてアルバイト生活を始めてから少し窮屈だった。金は減らない。返済でゴソッと持っていかれはするが、想定内の収入に想定内の支出、常に一定の返済額を叩き出す、何の驚きもない財布事情。それに、ラジオだ。
ラジオの出演依頼のDM

ラジオの出演依頼のDM

ここは退屈

 テレビ、ラジオ、インターネット。僕は高校生の時は深夜に放送されるオールナイトニッポンを毎晩こっそりと夜更かしをして聞いて…いない。坊主の運動部だったからそんな趣味を持った学生ではなかった。特に思い入れはないが、ミーハーな欲望が脳裏を過ぎる。  出演の打診はTwitterのDMから来た。打診と言っても、タイトルから毎回ちょっと話題になってる素人に声をかけまくっている感じだろう。今回は「親と縁を切られた人」。パーソナリティは平成ノブシコブシの徳井だった。知っている。まだテレビがあった頃によく見ていた。  たしかに縁を切られてはいるが、自分のなかで一番面白い話でもない。大学を中退してそのまま家を出されただけのありきたりな理由が果たしてウケるのだろうか? いや、そもそも……。  そもそも、たかだか5分くらいラジオに出るだけでここまで浮かれていて、本当に僕はそれでいいのか?  ふと、あの頃を思い出す。新しい環境に放り込まれる時、人は少なからず「カマしてやる」という気持ちになる。  トンネルを抜けた先にある雪国。僕はそこから東京にやってきた。東京の人間の使う「風情」という言葉を憎み、自然公園に遊びに来る感覚で遅れた文明を覗きにやって来る東京の人間を、心底鬱陶しく思っていた。  我々田舎者はみんな同じボロボロのカラオケでしか遊べず、深夜に開いている店もないから9時半の終電で大人しく帰る。タバコを吸っているヤンキーの奥山も、先輩全員と付き合ったらしいギャルの安達も、まだまだ遊びたい盛りの新任教師小笠原も、みんな同じ。  ボロボロのカラオケが僕たちのドンキで、歌舞伎町で、秋葉原だった。
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ラジオ出演
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フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩

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