更新日:2021年03月17日 22:16
エンタメ

<純烈物語>35万回再生!ドラマ『俺の家の話』「潤 沢」カヴァー動画にみる”本気の遊び心”<第87回>

jyuntaku

純烈公式YouTubeより

<第87回>潤 沢をカヴァーした『秘すれば花』は本気で遊ぶ純烈の真骨頂

 常に何かしらの話題を発信し続ける純烈は、1年ぐらい先まで予定を立て、どの話題をどのタイミングで振るか逆算して決める。この2月と3月に関しては『スーパー戦闘 純烈ジャー』の制作発表会見のあとに新曲『君がそばにいるから』をリリース。映画主題歌『NEW(入浴)YORK』も配信し、名古屋・御園座の里見浩太朗座長公演『水戸黄門~春に咲く花』に専念するはずだった。  ところがその月の変わり目に、想定外のバズりが発生する。TBS系ドラマ『俺の家の話』(脚本・宮藤官九郎)第6話に登場した純烈っぽいムード歌謡グループ「潤 沢」が歌う『秘すれば花』を完コピし、YouTube公式チャンネルにアップするやまたたく間に世間が飛びつき、わずか1日で再生回数が5万回を突破。3月12日午前9時13分現在で34万7793回に到達している。  同じクドカン作品の映画『少年メリケンサック』で同名のパンクバンドを率いる佐藤浩市は、自分たちのライブ動画ビュー数が「10万サクセス」もいったとドヤ顔で語っていたが、純烈はそれを遥かに超えてしまったのである。

バズりに誰よりも驚き、たじろいだリーダー・酒井

 この現象に誰よりも驚いているのが、仕掛けた張本人である酒井一圭自身。動画がアップされた頃にはすでに名古屋入りしており、頭を水戸黄門へ切り替えようとしたところでとんでもない現象となっているのを知り、たじろいだ。 「こんなに反響があったり、こんなに喜んでもらったりとか何も計算していなかったです。純烈ファンのおばちゃんたちに伝わるのか、ドラマのファンの皆さんがどう受け取るかもわからなかったけど、演者さんやスタッフさんたちがバカだねえと言って面白がってくれればいいという思いでやってみただけなので」  単にパクっただけなら、これほどのリアクションはなかっただろう。プロのムード歌謡グループによる渾身のカヴァーだから、そのクオリティの高さが話題を呼んだ。  遊びに対し本気になれるのが純烈の真骨頂。ドラマ放送からわずか3日で映像を完成させアップできたその裏には、このグループに携わる者たちの「そこまでやるか!?」という熱量と、それに乗ったTBSサイドの器量があった。  そもそも酒井は、このドラマを第1話から見ていた。人間国宝の能楽師を父(西田敏行)に持つ主人公の観山寿一(長瀬智也)は、その介護のためにプロレスラーを引退し、あとを継ぐと決意。このストーリー自体が「マッスル」の盟友であり、NHKホール単独公演や観客1人ライブの台本を担当したスーパー・ササダンゴ・マシンことマッスル坂井の境遇そのまんまだったため、どうなってんだ?という感じで目が離せなくなった。
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これ絶対に純烈でカヴァーせなあかんやろ!
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(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。

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