知られざる少年院生活の実態「幼稚園児レベルの告げ口されるから、誰も信用できない」
茨城一家殺傷事件の岡庭由征(26歳)が医療少年院から退院後わずかな期間で凶行に及んだことで、再び少年院の矯正教育に疑問符が付けられている。一体塀の中ではどのような矯正教育が行われているのか?
茨城一家4人殺傷事件の容疑者、岡庭由征(26)は幼少時代からセミや蛙を切り刻んで遊ぶなど「サイコキラー」の片鱗を見せていた。高校では切断した猫の生首を教室に持ち込み、その後、女子中学生2人に切りつける連続通り魔事件を起こしている。
家宅捜索では、サバイバルナイフや鉈など計78本の刃物を押収。このほか、硫化水素を発生させる約45㎏もの硫黄のほか、猛毒リシン含有物なども見つかっており、岡庭容疑者が次の“標的”を探し求めていたのは明白だ。
岡庭は通り魔事件により医療少年院で5年間を過ごし、’18年に満期で出院した。だが、この間に更生できなかったのか、疑問も残る。
今回、少年院で矯正教育を受けた経験のある10~20代の男女に取材した。若かりし彼・彼女らは、犯した罪も、更生への道もまちまちだが、そもそも少年院の中ではどのような生活が営まれているのか?
傷害事件で関東地方の少年院に17歳から1年間収容されていた21歳の元少年・Aさんが話す。
「体育の時間に筋トレルームで、外からの知り合いと顔を見合わせて微笑んだんです。そしたら『先生、筋トレ中に3寮のA君と2寮のE君が“ニヤけ合い”してました』って告げ口されちゃって……。外なら『愛想がいいですね』って褒められるようなことですよ。
あと私語もダメ。ほんと、幼稚園児レベルの告げ口をされるから、だれも信用できないんです。寝るとき以外は姿勢も注意され、行進は指の曲げ方まで決まっててロボットみたい。とにかく厳しいので二度と戻りたくないです」
時間割を見ると、少年院での生活がいかに慌ただしいかが伺える。懲罰本位の刑務所と異なり、社会復帰を目指した更生に重きを置く少年院では、法務省の職員である法務教官が現場の指導を担う。教室が設置された寮を中心とする少年院のイメージは、刑務所よりも全寮制の学校に近い。
医療少年院で5年間過ごすも起こった悲劇
「微笑み合い」も罰則対象。知られざる少年院生活
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