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タピオカブーム火付け役の今。「フルーツティー」戦線が激化中

若者たちの「タピオカ」ブームは賞味期限切れ

 夏の暑い時期には、どうしても冷たい飲み物を口にしたくなるもの。スカッと爽快感を味わえる炭酸飲料や、ひんやりと冷たいスムージードリンクなど色々な選択肢があるだろう。  そんななか、ブームの最盛期を迎えていた頃に比べ、下火になっていると言われるのが「タピオカミルクティー」だ。一時は何時間も並ぶほどの行列ができ、インスタ映えを求めて中高生が殺到する光景が見られた。しかし現在ではコロナ禍も相まって、タピオカミルクティー専門店の多くが撤退や業態転換を余儀なくされている状況だ。まさに“賞味期限切れ”。
木川 瑞季

春水堂を運営する株式会社オアシスティーラウンジ 代表取締役の木川 瑞季さん

【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます  一方で、“ポスト・タピオカ”と呼ばれる新たなドリンクに注目が集まっているという。今回はタピオカブームの火付け役と知られ、今年で日本上陸8周年の「春水堂(チュンスイタン)」を運営するオアシスティーラウンジ 代表取締役の木川瑞季さんに、タピオカブームの変遷や次に来るトレンドについて話を聞いた。

台湾ブーム到来に合わせ、“台湾スイーツのパイオニア”として訴求

 1983年に台湾で創業した春水堂。現地に根付くお茶文化を若年層にも広めるべく、伝統的な中国茶をベースにしたさまざまなアレンジティーを開発し、国民的人気を誇るお店として知られるようになった。  日本に進出を果たしたのは2013年。春水堂としては海外初の店舗を代官山にオープンしたわけだが、当時はまだ台湾ブームが訪れる前だったという。 「今でこそ、担仔麺(タンツーメン)や魯肉飯(ルーローファン)、豆花(トウファ)といった台湾グルメ・スイーツが人気を博していますが、春水堂が日本上陸した頃の台湾のイメージは『旅行土産で重宝するパイナップルケーキ』や『屋台で出されるB級グルメ』のようなものでした」  だが春水堂の日本上陸を皮切りに、次々と台湾スイーツのお店が東京の表参道にでき始める。パイナップルケーキ専門店の「サニーヒルズ」やかき氷専門店の「アイスモンスター」(※2020年9月 日本撤退)など、台湾スイーツブームが到来したのだ。  木川さんは「春水堂を『台湾スイーツの先駆的存在』として、世の中へ打ち出したことで知名度を高めていった」とし、次のように語る。
豆花

2015年から春水堂で販売している台湾の定番スイーツ「豆花(トウファ)」

「もちろんタピオカミルクティーは当時からの主力商品でしたが、台湾スイーツの台頭やLCC(格安航空会社)の台湾便が増加し、台湾への渡航者が増えたことで、“おしゃれな台湾”が社会的に知られるようになったんです。こうした世の中の動きを抑えつつ、春水堂ではタピオカミルクティー以外にも、いち早く豆花や牛肉麺(ニューロウメン)などの台湾グルメも食べられるお店として地位を確立させてきました」
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コロナ禍で「タピ活」終了、タピオカ店の明暗分かれる
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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