お金

“お金の使い方を知らない”金持ちが幸せになれないワケ/上念司

お金だけを手に入れる人生に感じた虚しさ

たくさんお金があったとしても、必ずしも幸せになれるとは限らない。では、お金を手に入れた上で、幸せになるにはどうしたらいいのか。そんな疑問に答えてくれたのが、経済評論家で、経営者としても活躍する上念司氏。 29歳で経営者に転身し、成功を掴んだ上念氏だが、お金だけを手に入れた日々はどこか虚しさが漂っていたとか。そんな経験をした上念氏が、「自分が幸せになるために、知っておきたいお金の使い方」について解説する。(以下は、上念司著『誰も教えてくれなかった 金持ちになるための濃ゆい理論』の一部を編集したものです)
上念司

上念司氏

モノを買うために生きてるわけじゃない

経済には流れがあり、その流れを摑んだ人がお金を儲けます。敢えてそれを「お金を生む法則」と名付けましょう。そのロジックに忠実にビジネスをデザインし、みんなで協力して仕事をこなしていけば順調にお金が増えていきます。塾業界でそれを働きながら体験し、学習できたことはその後の私の人生を大きく変えました。 私は29歳で雇われ経営者となり、塾の経営の一角を担うこととなりました。それに伴い収入も増え、ぶっちゃけ、塾で働く前に辞めた銀行員時代よりもお金が儲かってしまいました。もちろん、仕事は大変でしたが、「お金を生む法則」を学ぶことの面白さからそれに没頭していました。まさに大学時代のあのエキサイティングな日々を取り戻したように思えました。 しかし、同時に銀行を辞めた本当の理由である、自由とは何かという問題について考え続けていました。確かに、ビジネスは面白い。でも、儲けたお金で結局何をするのかという問題は残ります。私はこの時期マイホームも買いましたし、車も買いました。モノで満たされる部分についてはある程度のところまでやってみました。お金のない頃に比べれば、問題の9割は解決していたと思います。しかし、実際に解決してしまうと、どうしても残り1割が気になって仕方なくなります。私はモノを買うために生きているわけではないですから。一体何をしたくてこんなに頑張っているのか? そもそも自由って何?
次のページ
永遠の4年生プロジェクト
1
2
3
4
1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中

記事一覧へ
誰も教えてくれなかった 金持ちになるための濃ゆい理論

ポストコロナの経済サバイバル術

おすすめ記事
ハッシュタグ