借金8000万円、ゴキブリ養殖会社の経営者が“芸人”を始めた意外なワケ
ポルシェやフェラーリなどの高級外車を4台乗り回し、複数の会社を経営する社長。その一方では、水道橋博士の運転手も務めるお笑い芸人——。
社長がお笑い芸人に異世界転生してみた』(代官山ブックス)を上梓したほどだが、今回は、彼が“三足の草鞋”を履くようになるまでの道のりに迫る!
——社長になられたきっかけは何だったのですか?
ジョニー小野(以下、小野):前職が不動産関係の仕事だったのですが、そこのオーナーがゴリゴリのパワハラ社長でした。
たとえば、新しい飲食店を出すという企画のときに、「オーナーの指示通りだとコンプラ違反で法に触れてしまいますよ」と店の計画書に難癖をつけたら、社長からは「飲食店自体、食中毒出すかもしれないからもう店はできないな!」と謎の理由で逆ギレされました。
意味がわからず、“何言ってるんだこいつは?”と思ってうっかり失笑してしまったんです。社長はそれが癇に障ったらしくて、「てめぇ、うすら笑いやがったな!」と大揉めしてしまいました。「ここは俺の会社だから、お前のやりたいようにしたいならお前の会社でやれ!」と言われてしまい、その日からボーナス5000円みたいな最低の査定にされてしまったんです。
小野:俺は間違ったことは言っていないのに、この会社に求められてることではなかったんだと気づきました。そもそも俺が重視する“売り上げ”もないがしろにされていたので、まともな会社を作りたいと思って。
たしかに、社長に言われたように、“自分の思ったとおりに仕事をする”なら会社のトップにならなくてはいけないと思って起業を決意しました。
——最初は何の業種で起業したのですか?
小野:清掃業ですね。飲食コンサルをやっていたときは経営企画室にいたので、色々な業者に発注する作業が多かったのですが、相手にしていて一番苦労したのが清掃業者でした。飲食店にとって重要なわりにしっくりくる業者がなくて。
不手際があった際に指摘したら、先方の責任者からは「うちの現場がバカですみません」と言い訳をされて。そこで「人のせいにしないでください。あなたが管理する立場でしょう。あと一緒に働いてる仲間に対して、バカだバカだと言うのは間違ってるんじゃないですか? 人としてありえない!」とブチギレてしまったことがあって。
こんなに部下を大切にできない人でも管理職が務まるなら、“自分にもできるかもしれない”と思いました。
ジョニー小野さん(42歳)は、清掃業やゴキブリの養殖などのビジネスを展開しながら、38歳の遅咲きで芸人デビュー。現在は株式会社TAP(旧オフィス北野)に所属する。“成功者”に思えるが、コロナ禍で事業が傾きつつあり、借金の総額は8000万円……。
あまりにも独特な半生から自伝『
パワハラ社長と大喧嘩してボーナス5000円に
“自分の思ったとおりに仕事をする”なら社長になるしかない
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