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ナイツ塙宣之が語る、ラジオとおじさんの魅力。ベテラン漫才師は「うなぎのタレ」みたいなもの

『ナイツ ザ・ラジオショー 』(ニッポン放送)や『ナイツのちゃきちゃき大放送』(TBSラジオ)など、漫才師のみならずラジオパーソナリティーとして大活躍のナイツ・塙宣之さん@hanawa_nobuyuki)。
塙宣之

ナイツ・塙宣之さん

 今年5月、そんな彼が義父・静夫さんとの暮らしを綴った著書『静夫さんと僕 』(徳間書店)を上梓した。  ラジオ番組で語ったエピソードトークをきっかけとして本書の発売に至っているが、そもそも塙さん自身は現在の活動をどう考えているのか。ラジオ中心の活動になった背景、番組で意識していること、YouTubeチャンネルに出演した静夫さんのお兄さんについて、ベテラン漫才師やおじさん特有の面白さなど、率直な思いを聞いた。

「ラジオが向いてるな」とはずっと思ってた

――現在、『ナイツ ザ・ラジオショー』をはじめラジオパーソナリティーとして大活躍されています。そもそも若手時代から、ラジオ中心の活動を望んでいたんでしょうか? 塙宣之(以下、塙):そこまでやりたいとは思ってなかったんですけど、お笑い芸人になって10年ぐらい経つと「こっちはなかなか結果出ないけど、こっちは少しできるな」みたいなことがいろいろ出てくるんですよ。  自分の中では、バラエティのひな壇であんまり結果が出せなくて。空間が広い中で視覚も伴うギャグをやるとなったら、ほかの人のほうがぜんぜん上回ってる。もともとギャグもできないし、体の動きにキレもないし(苦笑)。  あとはタイミングもあるし、ある意味、声の大きさもあるし、MCとの関係性もありますよね。僕はMCと普段飲みに行ってるわけでもないから、こっちに振ってくれることも少ないじゃないですか。そうすると、ワケわかんないこと言ってその場を壊すような芸しかできなくなって「あんま向いてないなぁ」と思って。  けど、楽屋とかでしゃべったらけっこう面白いって言われるんですよ。それで、「空間が広くない密室なら得意かもしれない」っていうのがずっとあったんですよね。

ラジオはいち早く面白いことを言った人の勝ち

塙宣之

塙宣之『静夫さんと僕 』(徳間書店)

――ひな壇が苦手というところから、ラジオのほうに意識が向いたんですね。 塙:ラジオって全員がまず座らなきゃいけない。マイクとの距離でいち早く面白いことを言った人の勝ちなので、今まで苦手だった要素がなくていいなと思ったんですよ。立ったりせず、その体勢のままバババッとしゃべればいいわけですから。  その勝負なら誰よりも早くツッコんだりできるし、「向いてるな」とはずっと思ってて。強く意志を持って「ラジオやりたいな」と思ってたらレギュラーの話がきたんです。そういう意味では、「僕が得意なことを見ててくれた人がいた」っていうことがラッキーだったなと思います。
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帯のラジオは、毎日舞台に上がるのと同じ
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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静夫さんと僕

変なおじいさんとのちょっとおかしな二世帯暮らし

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