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ピン芸人・ほいけんた(58歳)“さんまの声まね”に16年間。東京生まれで関西弁を習得する苦闘

 明石家さんまさんのものまねで知られるピン芸人・ほいけんたさん@hoikenta)。今年の大型特番『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)で大活躍し、カラオケ企画、ドッキリ企画、アイドルや歌手とのコラボなど、幅広い場面でその多彩さを発揮した。
ほいけんた

ほいけんたさん

 最近では、『ララLIFE』(TBS系)でナレーションを担当。ものまねだけでなく、様々なジャンルのキャリアを積んで得たものとは? 前編では、27時間テレビ出演時のエピソードや『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)にまつわる話などを中心に話を聞いた。  後編は、さんまさんのものまねが16年掛かった理由、ラジオで培われた“さんま脳”、様々な分野で活動して良かったこと、今後の目標など、さらに彼のパーソナルな部分を掘り下げていく――。

最初は声を張って喉をつぶした

――最初は顔まね、その16年後に声を真似てものまね番組で明石家さんまさん本人と共演されていますが、まったく声質が違うことでの苦労はなかったですか? ほいけんた(以下、ほい):顔まねにしろ、最初は今持ってるような立派な付け歯じゃなかったし、紙で作った歯をつけて口に入れたら似たっていうね。地声も低いですから、そこから声を真似るのはめちゃめちゃ大変でした。  最初はわかりやすく“引き笑い”から入ったんですよね。ちょっと裏声に近いから、「ヒャーッ」っていうのをずーっと練習して。それで、ちゃんとした付け歯を作ってテレビ出るようになったんです。(付け歯を口に含み)これつけるとね、スイッチが入ってしまうみたいで。この声の加減がさんまさんからすると、「もっと張れ」「芸人はもっと張らなあかん」って言うんですけど。 (再び地声に戻る)さんまさんの声って喉をグーって絞ってるんですね。ずっと「ゔぇ~」ってやってるような状態。で、その声の調整を間違えると喉をつぶすんですよ。最初の頃は加減がわからないから、声を張って「おー、ほいでなぁ~!」ってやってたら、喉つぶして営業に影響してしまって。レパートリーの松山千春さんのものまねやろうとしたら、高い声がかすれたり音を外しちゃったりして出ない。「これダメだな」って、まず声の出し方でつまずいたんです。

ものまねは、ラジオのさんまさんが基本

ほいけんた

明石家さんまさんのまねをするほいさん

ほい:もう1つは、言葉の難しさ。最初はコント仕立てだったんですけど、営業じゃ通用しないって気付くんですよ。さんまさんでしゃべったときに、とくに関西人のみなさんが「おい、IMALUおったでぇ~」とか「しのぶ、どうしてんねん」とかって話し掛けてくる。その返しがうまくできなかった。  僕は東京生まれの東京育ち。関西弁ってなじみがないじゃないですか。なぜ16年間、言葉ものまねをやらなかったかと言ったら、エセ関西弁じゃ成立しないだろうってことも大きかったんですよね。バラエティのさんまさんを見てると、ゲストを挟んでのキャッチボールでけっこう短いターンが多い。関西弁を練習するためには、もっと長いターンを聴きたいなと。そんなときに「ラジオだ!」と思ったんです。  その後、さんまさんの『ヤングタウン土曜日』(MBSラジオ)をとにかく録音し始めて、ずーっと聞き流すんです、スピードラーニング方式で。車でもずっとかけて反復してるうちに、本当にちょっとずつニュアンスがつかめてくる。  だから、僕のしゃべりはテレビよりも声を張っていないラジオのさんまさんが基本。声を張るとどうしても喉をつぶしちゃうから、僕の場合は顔まねで補ってるんですよね。
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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