伝説のスポーツカー「GT-R」がEV開発のレガシーに?日産“インフラ投資だけで250億円超”EV戦略の全貌
脱炭素社会の実現に向け、国内外の自動車メーカーがEVシフトへ力を入れている。政府も、EV購入者の補助金の増額はもとより、EV向け充電インフラを2030年までに現行の3万基から30万基に増やすロードマップを策定し、普及の足がかりを作ろうと取り組んでいる。
2010年に世界初の量産型EV「リーフ」を発売した日産。他社メーカーに先駆けてEV市場を切り拓いてきた。なぜ、いち早くEVの開発に乗り出したのか。
「最初は、環境に優しい“エコカー”と打ち出し、ガソリン車やハイブリッド車に次いで主流になるのがEV車だと捉えていた」
そう語る寺西氏は、さまざまな切り口でEVの魅力を訴求してきたと説明する。
「日産のリーフが先陣を切ってEVを市場に投入したわけですが、EV自体が真新しいものゆえに、『電気自動車はすごい。でもまだ自分が乗るクルマではない』と、お客様が自分ごと化できていない状況がございました。そのため、エコカーという打ち出しから、次は“走る蓄電池”として見立て、災害時の非常用電源になることをPRしたり、マイナーチェンジによって航続距離を伸ばしたりと、EVに対する世の中の不安や不満を一つひとつ解決しながら、リーフの普及に努めてきたのです」
またEVの充電インフラの整備にも約10年間で250億円を超える多額の投資を行い、日産は国内自動車メーカーでは先行して全国の日産販売店(ディーラー)に充電器スタンドを設置してきた。
そうした背景のなか、国内におけるEV販売台数が12年連続No.1を誇るのが日産自動車。“EVの先駆者”として市場を開拓し、現在までに「リーフ」「アリア」「サクラ」の3車種をラインナップするなど、着実にビジネスを成長させている。
これまでのEV市場開拓における取り組みや、日産が描くEV戦略の未来について、同社 日本マーケティング本部 CMM(Chief Marketing Manager)オフィス チーフマーケティング マネージャーの寺西章氏に話を聞いた。
当初は「環境に優しいエコカー」と打ち出していた
マイナーチェンジで不安や不満を解決
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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