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日本の優秀な高校生は「なぜ“海外の有名大学”を目指さないのか」。東大合格者の併願校からわかること

世界に羽ばたかないエリートたち

 みなさんは東大生と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか? 「エリート」な印象を受ける方もいらっしゃるでしょう。日本でも最難関クラスの東大に突破するのだから、それなりの能力は持っているはずだと期待されるかもしれません。    東大側もエリートの育成学校である意識があるようです。東京大学のアドミッションポリシーには『国内外の様々な分野で指導的役割を果たしうる「世界的視野を持った市民的エリート」(東京大学憲章)を育成すること』を使命として掲げており、ゆくゆくは世界を股にかけて活躍できるエリートの育成が至上命題となっています。  ですが、いまの東京大学には、果たして「世界に羽ばたくエリート」が何人いるのでしょうか? 私は、独自に現役東大生、東大卒業生100人を対象として、幼少からの学びの環境についてアンケートを実施しました。その結果からは、東大の理想の真逆に思えるような現状が透けて見えます。 今年の2月20日に、このアンケート結果を分析し、そこから考察できる内容をまとめた『東大合格はいくらで買えるか?』を上梓しています。今回は、「世界に羽ばたいていかない日本のエリートたちの現状」についてお伝えします。 東大

アンケート調査でわかった驚きの事実

 私は、今回のアンケートで、東京大学以外の併願校の合否についても尋ねました。さすが東大というべきか、併願校にも早稲田大学、慶應義塾大学をはじめとする首都圏の難関大学が数多く並びます。  ですが、私はここで違和感を抱きました。早慶、東京理科大学、上智大学、MARCHあたりの名前はあるのですが、逆を言えば、それ以外の名前が全く上がらないのです。つまり、海外の大学を併願している人が非常に少ない。  今回調査をとった100人の中では、海外大学を併願し、合格しているのはただ一人だけでした。この方はアメリカの有名大学をいくつか併願し、合格をもらったうえで、東大を選んだようでした。  そして、今回のアンケートの現役/浪人比率は77:23です。80%近い人が、現役での東大進学を決めています。これは、一般的に言われている東大生の現役/浪人比率とほぼ同等な数字です。

『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社新書)

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東大生も安全志向である
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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